リトアニアが中央銀行デジタル通貨の最終テスト段階に入り、7月発行予定
リトアニアの中央銀行であるリトアニア銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の最終テスト段階に入り、2020年7月にローンチ予定であることを同銀行のウェブサイトで明らかにした。発行予定のデジタル通貨の名称はLBcoin(エルビーコイン)で、NEMブロックチェーンをベースにして発行されるようだ。
LBcoinの発行計画は、2019年2月16日に発表されていた。なお同通貨にはリトアニア独立法と20人の署名者の名前が刻まれているとのこと。
リトアニア銀行はLBcoinをデジタルトークンとして24,000トークン、物理的なお金として4,000枚発行する予定。デジタルトークンは署名者の職業別に6種類用意される。そしてLBcoinを購入できる場所はLBcoin専用のe-shopで、保管できるのはLBcoin専用のウォレットとのことだ。LBcoinは、ギフトとしての利用、NEMウォレットへの転送、物理的な硬貨との交換も可能とのこと。
リトアニア銀行のLBcoinプロジェクトのマネージャであるPavel Lipnevic氏は「LBCOINは革新的で洗練されたソリューションに基づいています。そのため、機能性や個人情報保護、サイバーリスクへの耐性などさまざまな角度からテストする必要がありました。そしてこの最終テスト段階で、リトアニア銀行は非常に貴重な経験と見識を得ることができました」とコメントしている。
編集部のコメント
リトアニア銀行はブロックチェーン関連のサンドボックス制度の政策に関わっていて、そこではIBM Poland(IBMポーランド)と先端技術の開発支援を行う Tieto Lithuania(ティエトリトアニア)がLBchainを開発しています。この2社はこれまでにもHyperledger FabricとCordaのためのソリューション開発を共同で行っていました。
予定通り7月に中央銀行デジタル通貨が発行されることになれば、リトアニアは非常に革新的な戦略で国家運営を行なっていると考えられます。そして2004年にEUへ加盟をしているので、EUが研究しているデジタルユーロなどとのプロジェクトとどのように調整していくかという側面も楽しみです。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock /Guzaliia-Filimonova–)