3メガバンクとJR東日本らがデジタル通貨とのSuica連携を検討
三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友銀行、みずほ銀行とJR東日本らが、それぞれ発行を検討しているデジタル通貨とSuicaとの連携を検討をはじめると6月3日に日本経済新聞が報じた。国内大手の暗号資産(仮想通貨)取引所のディーカレットが事務局となってデジタル通貨や電子マネーの相互利用を検討する協議会が立ち上げられるとのこと。この協議会には3メガバンクのほか、JR東など10社程度が参加する見通しとのことで、金融庁や経済産業省、日銀などもオブザーバーとして参加する予定と報じられている。
三菱UFJフィナンシャルグループは独自のデジタル通貨「coin(通称MUFGコイン)」の発行を検討中であり、みずほ銀行は地方銀行などと連携して、送金やQRコード決済に使える「Jコインペイ」をすでに発行している。なお三井住友フィナンシャルグループは独自のデジタル通貨の発行に関してはまだ報じられていなが、R3のCordaを活用した貿易金融プロジェクト「マルコポーロ」に参画している。
なおこの協議会は今秋メドに方向性を出す予定と報じられている。
編集部のコメント
現状、預金口座と紐づいた形のデジタル決済に関しては、メガバンクらはPayPay、LINE Pay、メルペイなどの民間企業に対して遅れをとっています。
これまでのメガバンクのデジタル通貨に関する主要な動きをピックアップすると、みずほ銀行は2019年3月27日に「J–Coin Pay」から「Suicaアプリケーション」へデジタル通貨よりチャージを実現する実証実験を開始しています。
そして三菱UFJフィナンシャルグループは、2019年12月4日にリクルートとデジタル通貨領域で新会社設立の契約に締結をしていることを明らかにしています。
三井住友フィナンシャルグループは、2020年1月30日にデジタル通貨、ブロックチェーン領域の共同研究を進めるべく、SBIホールディングスとの協業を発表し、さらにSMBCグループはSBI傘下のマネータップ、SBI R3 Japanに出資を行ったことも明らかにしています。
このように3大メガバンクはデジタル化の方向へ動き出しています。そして今回の協議会で大企業の株主が多いディーカレットがどのようにトランスフォームしていくかが、非常に重要なポイントとなっていくのではないかと考えられます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
images:iStock/Максим Ивасюк・ElenVD