(CEL創業者兼CEOの片岡氏コメントあり)Cryptoeconomics Labが アプリケーション開発フレームワーク「gazelle(ガゼル)」のα版を提供開始

ブロックチェーン技術開発スタートアップの株式会社Cryptoeconomics Lab(クリプトエコノミクスラボ)がブロックチェーンを活用したアプリケー ションを開発するためのフレームワーク「gazelle(ガゼル)」α版の提供を開始したことを発表。

gazelle(ガゼル)は主要ブロックチェーンの1つであるイーサリアム(Ethereum)上で、処理スピードが速く、低コスト、高セキュリティなブロックチェーンアプリケーションを開発できるフレームワークだ。

このフレームワークは、取引の高速化と取引手数料の最小化を実行できる「Plasma(プラズマ)」と呼ばれる技術をブロックチェーンアプリケーション開発者が簡単に実装できるように、「Plasma」技術の基盤部分の設計を日本で初めてAPI化(仕組化)を実現したもの。これにより開発者はアプリケーション開発工数を大幅に削減することができるようになるとのこと。

Cryptoeconomics Lab最高技術責任者の部谷修平氏は「Cryptoeconomics Labは、国内外のブロックチェーンコミュニティと連携し、 Plasmaの技術を利用したgazelleの α版を作ることができました。今後このgazelleを利用し、お客様、そして開発者のみなさまと一緒にブロックチェーンのユースケース創出に取り組んでい きます」とプレスリリースでコメントしている。

あたらしい経済編集部はCryptoeconomics Lab 創業者兼CEOの片岡拓氏へ2つの質問を投げかけた。

Q1.具体的に開発者はアプリケーション開発工数をどれくらい削減できると考えていますか?

gazelleは、Plasmaを用いたアプリケーション開発を行う場合、Plasmaの開発工程(Smart Contract、Clientなど)を削減し、開発者はアプリケーションの開発のみに集中することが出来るようになります。

Q2.具体的にどのような業界で利用されることを想定されていますか

gazelleを用いてパブリックチェーンを利用することによって、ステーブルコインやERC20などのトークンをスケーラビリティの問題を気にすることなく、扱うことが出来るようになります。

大量のトランザクションを捌くことが可能な、価値を扱うアプリケーションの開発コストや取引手数料を削減出来ることによって、様々なユースケースが考えられます。

まずは、決済やエスクローを含む送金アプリケーションから構築していこうと考えています。

そして同社はgazelleの第一弾ユースケースとしてブラウザ版アプリのgazelle wallet(ガゼルウォレット)もローンチした。このアプリでは、DAIやWETHの送金体験ができる。

編集部のコメント

Cryptoeconomics Labはイーサリアム財団より2度のグランツを獲得している日本のブロックチェーン開発スタートアップです。今回α版をローンチしたgazelleを利用してブロックチェーンアプリケーションを構築すれば、裏側で「Plasma」が​複数のトランザクションを圧縮して1つのトランザクションにまとめられるので、イーサリアムに記録するトランザ クション数を最小限に抑えられ、アプリケーションの処理速度を現在の毎秒20取引から毎秒1,000取引まで引き上げられる見込があるとプレスリリースに記載されています。

実際に2019年はブロックチェーンアプリケーションが前年の2倍近くに増え、特にファイナンス・ゲーム領域を中心に、大量のトランザクションを高速処理したり、日常的に利用するインフラとしてイーサリアムのトランザクション手数料を低く抑えるなどのニーズが顕著化したとのことです。

グローバルデファクトスタンダードを形成しうるプロダクトのα版ローンチということで「あたらしい経済編集部」も期待しています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

ペイパル「PYUSD」がイーサリアムとソラナ間で転送可能に、レイヤーゼロのOFT標準採用で

米決済大手ペイパル(PayPal)が、オムニチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」と統合し、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)間で、独自ステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」の転送を可能にした。「レイヤーゼロ」の公式ブログより11月12日発表された

ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」、アプトス・アービトラム・アバランチ・OPメインネット・ポリゴンに展開開始

米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)提供のトークン化ファンド「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」が、新たに5つのブロックチェーン上に展開開始したことが11月13日発表された

イーロンマスクが2018年にOpenAIのICO提案を却下、裁判資料にて明らかに

電気自動車会社テスラ(Tesla)のCEOで実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏が、2018年初頭にAIチャットボットサービス「ChatGPT」を提供する米オープンエーアイ(OpenAI)のCEOであるサム・アルトマン(Sam Altman)氏によるICO(イニシャル・コイン・オファリング)を阻止したと主張している