ブロックチェーン利用の漫画クラウドファンディングプラットフォーム「コミカブ」のサービス開始
株式会社Hashpaletteがブロックチェーン技術を利用したクラウドファンディングプラットフォーム「コミカブ(Comikabu)」ベータ版のサービス開始を5月14日発表した。
コミカブ(Comikabu)は、コンテンツホルダー(漫画原作者や原作者から委託を受けた出版社など)の新しいコンテンツ創作を、サポーターがサービス内で発行される「コミカブカード」を購入することを通じて支援し、両者が一緒に新しいコンテンツを企画・制作・流通させていくクラウドファンディングプラットフォームとのこと。
同サービスはコンテンツホルダーが提案したプロジェクトに対してサポーターがコミカブカードを購入することで支援を行う。コミカブカードの売上を元にコンテンツが制作され、支援を行ったサポーターはプロジェクトで生み出される新たなコンテンツにアクセスする権利を得るという仕組みになっているとのこと。
また、コミカブカード保有者にはコミカブカードごとに設定される条件等に従い、完成したコンテンツの先行配布などの優待特典が無償で付与される場合があるとのことだ。
なお同サービスでは、プロジェクト支援とアクセス権利の授受の部分にブロックチェーン技術が用いられている。具体的にはプロジェクトの提案の段階でコンテンツホルダーはそのプロジェクトの「コミカブカード」をNFT(代替不可能なトークン)として発行し、サポーターはこのコミカブカードを買うことで支援を行う。またコミカブカード自体が権利を示すものとなっているため、カードを所持していればコンテンツにアクセスできるということだ。
またコミカブカードはイーサリアムのERC721に基づいて発行されるため、技術的には第三者の運営するNFT取引市場においても取引が可能であり、権利の譲渡・売買などの二次流通が行えるようになるとのことだ。
なお同サービスのプロジェクト第1弾として漫画『BORDER -境界線-』を元にした派生コンテンツの制作と支援者限定先行配信が行われることも併せて発表されている。
コミカブのサービス開始ならびに公式サイトのオープンは5月15日17時、同プロジェクトの支援開始は同日18時を予定している。
編集部のコメント
株式会社Hashpaletteは、ブロックチェーンに関するコンサルティングやアクセラレーター事業を行う株式会社HashPortとサーバープラットフォーム事業などを行う株式会社Link-Uが、ブロックチェーン技術の社会応用を目的として今年3月2日に設立した合弁会社です。
コミカブは、改ざんができないことや所有権の移転が可能であることといったブロックチェーンの利点を活用したスマートなサービスになっていると思います。現状の漫画コンテンツの二次流通市場は「制作者側にお金が入らない」という課題があります。その部分をNFTの設計で改善することができれば、新しい二次流通市場を作り出すことができるのではないかと考えています。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:antoniokhr)