バイナンスがUpbitハッキング被害の一部暗号資産を凍結
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、同取引所に送金されたハッキング被害流出の暗号資産の一部を凍結したことを、バイナンスのCEOであるChangpeng Zhao(CZ)氏が自身のTwitterにて明らかにした。
同取引所に送金された暗号資産は137ETH(約300万円)で、2019年11月に韓国取引所UpBitがハッキング被害を受け、流出したイーサリアムの一部だ。
このETHのバイナンスへの入金は、暗号資産の大量移動を通知するツイッターアカウント「Whale Alert」のツイートによって5月14日1:06(日本時間)に発覚したものである。
CZ氏はこのツイートに対し同日1:20に「on it.」とリプライし、その15分後に同ETHのアドレスを凍結したことをTwitterで報告した。
CZ氏はTwitterで「Upbitと共に法執行機関に確認と関与させ、資産を引き渡します」とし、また「今回の資産凍結についてソーシャルメディアでは不満の声もありますが、私たちは悪人と戦わなければならないのです」と述べている。
編集部のコメント
2019年11月に発生したUpbitのハッキング事件は、同取引所のホットウォレットから計342,000ETH(当時約53億円)が流出する被害となりました。なお流出資産の保証は、Upbitが自社保有する資産を補填に割り当てる対応が行なわれています。
また今年1月には流出したETHの一部が資金洗浄されていることが明らかになっており、全金額の6%に相当する約20,520ETHの資金洗浄が確認されています。
なおCZ氏は一連の事件について「Upbitから盗まれた資金は直ちに凍結される」と以前からコメントを残していました。
今回の資産の凍結という判断は非中央集権を望むユーザーなどから一部不満の声は上がっていますが、一方犯罪を行い取得した資産を野放しにすることも問題ではありますので、バイナンスの判断は正しかったのではないかと考察します。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:dalebor,LysenkoAlexander)