ディーカレットと東京海上日動がブロックチェーン技術を利用した、保険契約における業務プロセスの自動化に関する実証実験を実施
株式会社ディーカレットと東京海上日動火災保険株式会社が、保険料の領収や保険金支払いといった保険契約における業務プロセスを対象に、ブロックチェーン技術を利用した自動化に関する実証実験を実施したことを5月13日発表した。
なお東京海上日動は2018年1月にディーカレットに出資をしており、同実証実験は資本提携業務の一環とのことだ。
同実証実験ではディーカレットが構築中の「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム(Enterprise Ethereum利用)」が活用され、2020年3月に実施されたとのこと。
同実証実験の技術検証では、ブロックチェーン上に保険契約の情報などを事前に登録しておき、事故が発生した際に当該事故情報をブロックチェーンに読み込ませることで、保険金支払い条件に合致したか否かを自動的に判定し、保険金をデジタル通貨で即座に支払いする仕組みの有効性について検証されたとのこと。
また東京海上日動の若手有志団体に対して、ブロックチェーン上でトークンを発行しトークンを保険料や保険金と見なすことで、スマートコントラクトを用いた保険金請求支払業務の自動化に関する有効性を実証したとのことだ。
編集部のコメント
ディーカレットは30社もの大企業を株主に持つ企業です。今回の東京海上日動との実証実験についても資本提携の一環とのことなので、今後ディーカレットのプラットフォームを利用する共同検証は他の株主とも行う可能性があり、様々な分野でのブロックチェーン技術の実用化に向けて検証が進んでいくと思われます。
今年2月にディーカレットはKDDI株式会社、auフィナンシャルホールディングス株式会社、株式会社ウェブマネーと共同でブロックチェーン上に発行するデジタル通貨に関する技術検証を実施していました。同共同検証ではディーカレット構築の「ブロックチェーン上にデジタル通貨を発行、管理するプラットフォーム」を活用し、「発行~流通~償却」にまつわる業務プロセスの一部と決済処理について、スマートコントラクトを用いた技術的な検証を行われました。
このように今後ディーカレットが関係会社とプロジェクトを実施していくかには注目です。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:antoniokhr,Tuadesk)