GMOインターネットが5月中に日本円ペッグのステーブルコインGYENのローンチを発表
GMOインターネット株式会社が以前より実証実験を行っていた日本円と連動したステーブルコイン(円ペッグ通貨)「GMO Japanese YEN(GYEN)」が、5月中にローンチすることが5月12日に明らかになった。
GYENのローンチは、同日発表された同社の「2020年12月期 第1四半期決算説明会動画」(21:20頃~)内にて、同社代表取締役会長兼社長・グループ代表である熊谷正寿氏によって明らかにされた。
5月ローンチ予定のGYENは昨年12月に2020年上半期の提供開始に向け、ブロックチェーンの内部実証実験を開始していた。
実証実験開始発表の際のプレリリースによると、同グループの海外戦略における統一ブランド(グローバル・ブランド)「Z.com」を通じ、関連法規を遵守するステーブルコインとして海外で「GYEN」の提供を開始する予定とし、また「GYEN」を通じて、暗号資産のボーダレスな取引やフィンテック分野におけるブロックチェーン技術の活用支援を目指すと説明をしていた。
なお同動画内(15:36頃~)では暗号資産(仮想通貨)事業の状況について言及されており、前年比・前四半期比ともに増収増益であったことも発表された。
また同事業の今後の見通しとして、マイニングファームの新拠点が今月5月中旬に稼働開始であること、9拠点ある北欧マイニングファームを6月末までに完全撤退することも語られた。
さらに熊谷氏はマイニング事業の状況変化とGYENのローンチは、7月以降の収益貢献を期待すると述べた。
編集部のコメント
ステーブルコインには他の暗号資産により担保された「暗号資産担保型」、原油や金などのコモディティ(投資用語ではエネルギー・貴金属・穀物などの商品を意味する言葉)により担保された「コモディティ担保型」、資産の担保が無くスマートコントラクト機能により価値を安定させる「無担保型」、そして今回GMOインターネットがローンチを発表した「GYEN」などのような法定通貨に担保された「法定通貨担保型」の大きく4つに分類されます。
暗号資産に関連する事業領域には「交換」「マイニング」「決済」の大きく3領域に分けられ、同社は「交換」と「マイニング」の2つの領域はすでに参入していました。残りの「決済」領域について、今回のGYENローンチによってGMOインターネットは暗号資産に関わる事業3領域に取り組むことになります。
昨年12月に発表されたプレリリースによるとGYENはまず海外での提供となるようですが、国外での需要がどれ程あるのかなど、GYENが今後どのように流通していくのか注目です。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:paitoonpati)