総合格闘技プロモーション企業UFCとChilliz(チリズ)が業務提携を発表
総合格闘技(MMA)のプロモーション会社UFCが、ブロックチェーン企業Chiliz(チリズ)と提携したことを発表した。
今回の提携によりUFCは、Chilizが提供する最先端のブロックチェーン技術とモバイルアプリサービスSocios.comを通して格闘技界におけるファンエンゲージメントの未来を作り上げていくとのこと。
Socios.comはファンが投票やトークン獲得をするためのモバイルアプリ。このサービスの基軸通貨は、Chiliz社が発行する通貨$CHZとなっている。
この提携によってSocios.com上でSocios Unitedトークン($SSU)を持っているユーザーはUFC関連の限定オファーやプロモーションをすぐに楽しめるようになった。さらに先数ヶ月間に渡って開催されるメジャーイベントへのVIPツアー等の様々な報酬、そしてイベントチケットの優先購入等の特典も楽しめる予定とのこと。
ChillizとSocios.comのファウンダー兼CEOのAlexandre Dreyfus(アレクサンドル・ドレフュス)氏は「Chilizとの提携により、UFCは今、地球上で最大のスポーツ団体のファンを虜にし、新たなフォロワーを惹きつける前代未聞の機会を創出しています」とコメントしている。
実際にこの提携により、Chilizは5月10日に行われたUFCの2試合に対して賞金プールを合計$2500相当の$CHZで用意した。試合結果を予想して、正解すればプールされた賞金から与えられるという仕組みだ。
編集部のコメント
ChilizはこれまでサッカーチームのFCバルセロナ、ユベントス、パリ・サンジェルマン、アトレティコ・デ・マドリード、ガラタサライ、ASローマなどとパートナーシップを提携しています。Chilizはスポーツ業界との連携を強く行なっている印象のあるブロックチェーン企業です。
さらにChilizはトークンの発行・流通を設計するだけでなく、新型コロナウイルスの影響で生のスポーツ観戦ができなくなることを危惧し、個人認証システム「 Socios Pass」を開発する計画も発表しています。
そしてUFCは2月26日にブロックチェーン企業Dapper Labsとも提携を結んでいました。ChilizとDapperLabsは競合と考えられるため、UFCがどのように両社と連携していくかが気になります。いずれにせよUFCは世界で3億人以上のファンがいるスポーツエンターテイメントですので、ブロックチェーンベースの新たなファンエコノミーを築きうるポテンシャルを強く持っているのではないかと「あたらしい経済編集部」は考えています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
イメージ:Nelli-Velichko