リサーチ企業IDCが企業のブロックチェーン関連支出は一時的な減少に収まると予測

リサーチ企業IDCが企業のブロックチェーン関連支出は一時的な減少に収まると予測

IT領域専門のリサーチ企業のインターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)が、ヨーロッパにおけるエンタープライズ・ブロックチェーン支出に関する成長率は新型コロナウイルスの影響を受けるというリサーチ結果を発表したことをLedger Insightsが報じた。

以前のIDCのレポートでは、ヨーロッパのエンタープライズ・ブロックチェーン支出は2020年に14.5億ドル、2023年までの年平均成長率(Compound annual growth rate,CAGR)は58%成長すると予測されていた。

現在進行中の新型コロナウイルスが業務運営やイノベーションに影響を与えていることから、IDCは欧州市場の2020年予測を8%削減した。しかしその数値は、13億3000万ドルで2019年比60%以上の成長をすると、IDCは予測している。

IDC ヨーロッパブロックチェーンプラクティス共同リードのCarla La Croce(カルラ ラ・クローチェ)氏は「パンデミックとそれに続くロックダウンの影響で多くの業界でマイナスの影響が出ており、企業全体の投資の一時的なストップや緊急性の高い費用の優先により、テクノロジー関連の支出が大幅に鈍化すると予想されます。サプライチェーンの信頼性、透明性、モノの経路の追跡という点でブロックチェーンがもたらすメリットを考えると、ブロックチェーン投資は2020年には一時的に減速し、パンデミックが緩和した後は、すぐに回復すると予想されます」とコメントしている。

IDCのヨーロッパブロックチェーンプラクティス共同責任者のRadoslav Dragov(ラドスラブ・ドラゴブ)氏は「ブロックチェーンは、強力なセキュリティと単一の真実のソースを保証しながら、透明性を提供し、データのサイロ化をなくしてくれます」とコメントしている。

編集部のコメント

IDCは、ITおよび通信分野に関する調査・分析、アドバイザリーサービス、イベントを提供する1964年設立のグローバル企業です。IDCは45年にわたり、世界中の企業経営者、IT専門家、機関投資家に、テクノロジー導入や経営戦略策定などの意思決定を行う上で重要かつ客観的な情報やコンサルティングレポートを提供してきました。現在、世界110か国以上で1,100人を超えるアナリストが世界規模、地域別、国別での市場動向の調査・分析および市場予測を行っているようです。

今回のレポートで明らかになったのは、欧州でエンタープライズ・ブロックチェーンの支出は指数関数的に伸び続けるということです。レポート結果から企業はブロックチェーンの透明性・可視性を強くメリットとして捉え、実装したいと考えていると読み取れます。この流れは欧州の企業だけでなく、グローバルトレンドとして広がっていくことは間違いないと「あたらしい経済」は考えます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:LuckyStep48,Tuadesk)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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