Libra協会が現HSBC最高法務責任者を初代CEOに任命
Libra(リブラ)協会が現在HSBCのCLO(最高法務責任者)を務めるStuart Levey(スチュアート・リービー)氏を初代CEOに任命したことを発表した。
リービー氏はHSBCの役職を退き、今夏にリブラ協会に参加する予定とのこと。リービー氏は米ブッシュ政権とオバマ政権の間、テロ・金融情報担当の初代財務次官を務め、不正金融対策のためアメリカや国際政策の策定に尽力してきた経歴も持つ。
リービー氏は「リブラ協会が、テクノロジーの力を活用して世界の決済環境を変革するための大胆な道筋を描く中、私はリブラ協会に参加できることを光栄に思っています。テクノロジーは、個人や企業が簡単にお金を送受信できるようにし、これまで金融システムの傍観者として扱われてきた10億人以上の人々に権限を与え、不正な金融活動を検知して抑止するための強固なコントロールを提供します。このビジョンを実現するために、政府、規制当局、およびすべてのステークホルダーと緊密に協力していくことを楽しみにしています」とコメントしている。
アンドリーセンホロウィッツのジェネラルパートナーで、リブラ協会の理事でもあるKatie Haun(ケイティ・ハウン)氏は「スチュアート氏は、超党派の尊敬と影響力を持つ政府と、世界中に広がるチームを管理した民間企業の両方でリーダーとして活躍してきた稀有な経験をリブラ協会にもたらします。さらに彼は、銀行、金融、規制政策、国家安全保障の分野における豊富な知識をリブラ協会にもたらし、イノベーションと規制の間で適切なバランスをとることができます。そして我々は彼にブロックチェーン技術を利用して、よりオープンで包括的で高機能な決済システムを提供し、世界中の何十億人もの人々に暗号資産を提供するという我々のビジョンを共有しています」とコメントしている。
編集部のコメント
リービー氏は規制のスペシャリストと呼ばれており、HSBCのCLO、米テロ・金融譲歩担当財務次官の間に外国資産管理局(OFAC)による米国制裁の実施と執行を監督し、金融犯罪執行ネットワーク(FinCEN)による米国民事マネーロンダリング防止法とテロ資金調達対策法の実施と執行を担当しました。
そして財務次官に任命される前は、米国司法省で主席副司法長官などの上級職を歴任しておりました。
このように国際ビジネスにおいて偉大な実績を持つ人物がリブラ協会の初代CEOに就任することは、リブラにとって非常に大きな動きだと「あたらしい経済」編集部は考えます。
さらに現職のHSBCは香港ドル発券銀行でもあり通貨との関わりの歴史も長く、あたらしい通貨を発行し運用するプロセスにも同氏の経歴は役立つと考えられます。
リブラは規制の観点から国際的な批判が多かったので、これを機にリブラへの風向きは変わるのではないかと考えられます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
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