KFCが中東でデジタル広告やメディアバイイングにブロックチェーン技術を導入
ファストフードチェーンのKFCが中東でのデジタル広告やMedia Buying(メディアバイイング)にブロックチェーン技術を採用することを発表したとLedger Insightsが報道した。
KFCはブロックチェーンを活用して広告キャンペーンからリアルタイムでデータにアクセスすることを目指しているとのこと。データの透明性向上により、KFCはブランドの可視性を高め、広告配信を監視することができるようになると考えている。
またKFCは広告の掲載と配信に関する共有データベースに関して、デジタル広告のサプライチェーンにおける不正行為のリスクを低減させることができるとも考えている。
この取り組みはアメリカの大手広告会社Omnicom Group(オムニコム)のマーケティングエージェンシーであるHearts & Science in MENA(ハーツ&サイエンスMENA)と協力して展開していく予定とのこと。
KFCのCMO(チーフマーケティングオフィサー)であるOzge Zoralioglu(オズゲ・ゾラリオグル)氏は「これまでマーケターは様々な異なるソースからデータを収集し、曖昧なインサイトに基づいてキャンペーンを実施してきました。そして今日では、マーケターはデータの元となるソース、つまり消費者行動履歴などに向き合う必要があります。
そしてKFCはブロックチェーンソリューションを活用することで、リアルタイムデータの可視性と最新の洞察プロセスを強化し情報が認証され、データが改ざんされていない状態で分析できるようになります」とコメントしている。
そしてHearts & Science MENAのManaging Director(マネージングディレクター)のFadi Maktabi(ファディ・マクタビ)氏は「ログレベルのデータにアクセスできるようになることで、データ主導のビジネスパフォーマンスを促進するための変更をより迅速に行うことができ地域のメディアサプライチェーンへのアクセスを増やすことができるようになります」とコメントしている。
編集部のコメント
米国に本社を置くKFCは現在、世界中に約24,000店のレストランを展開しています。データ分析企業BIA Advisory Services(BIAアドバイサリーサービス)によると、2020年にはKFCのようなクイックサービスのレストランがジオマーケティングに基づくデジタル広告に45億ドルを費やすと予測しています。そしてデータ分析企業Statista(スタティスタ)は世界のデジタル広告費は2024年までに4650億ドルに達すると予測しています。
このようにデジタル広告は様々なアプローチで活用されていくと考えられています。しかし、今後データ取集可能な場所が増えすぎてしまい企業が正しい分析を行えなくなるとも予測することができます。
そのような予測をもとに考えると、KFCのようなグローバル展開しているファーストフード店がブロックチェーン技術を活用して、正しいデータを収集し分析しながら、運用コストを下げられる選択をするのは合理的であるとあたらしい経済編集部は考えています。
ちなみにKFCはブロックチェーンに対するアプローチは今回が初めてでありません。2018年にKFCカナダでビットコインでしか購入することができない「ビットコインバケット」を提供していました。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
イメージ:LuckyStep48