ICC(国際商工会議所)が貿易金融市場の新型コロナウイルスへの対処ガイダンスを発表

ICC(国際商工会議所)が貿易金融市場の新型コロナウイルスへの対処ガイダンスを発表

国際商工会議所(ICC)がCOVID-19による危機が貿易金融市場の機能に与える影響について懸念を発表した。

実際にICC は「すべての政府に対し、電子貿易文書の使用に関する既存のすべての法的禁止事項を直ちに無効にするための緊急措置をとるよう求める」メモ書きを残しているとのこと。

一部の法域では、法律により、貿易書類を紙の形式で提出することが義務付けられてる。これには船荷証券、為替手形、約束手形、商業インボイスなどが含まれる。

つまり、ほとんどの貿易金融取引ではスタッフが紙の書類を確認する必要があり、在宅勤務が求められる場合は実行不可能。現状、世界中の郵便サービスが途絶えてしまっているとのこと。

国際決済銀行(BIS)は、世界の貿易のうち貿易金融の割合は3分の1と推定している。つまり現在の危機の中でビジネスがなんとか営業を続けられたとしても、貿易金融がボトルネックになっているならば中小企業が消滅するには十分の割合とのことだ。

そしてICCは電子化された文書が紙と同じレベルの法的効果と執行力を持つことができるようにするための法律を可決するよう政府に求めている。さらに、電子記録上の署名を検証するための業界標準を採用すべきであると伝えている。

ICC事務総長John W.H. Denton(ジョン・デントン)氏は「貿易金融市場は、世界経済の経済システムを成り立たせる上で非常に重要です。ICCは今回共有した出版物を通じて私たちならではの役割を果たしています。

そして私たちは、貿易金融商品の処理とそれらが促進する重要な財の流れを確実にするために、政府、中央銀行、国際規制機関の正しい行動を必要としています」コメントしている。

結論としてICCの動きは貿易金融がエンタープライズ・ブロックチェーントレード・ファイナンス・プラットフォームへシフトへに拍車をかける可能性があるのではないかと、メディア「LegerInsights」が分析している。

編集部のコメント

新型コロナウイルスの影響で、サプライチェーン、貿易金融に大きな変革を求められていると考えられます。4月6日には世界経済フォーラムが「コロナウイルスが引き起こしたサプライチェーンへの混乱をブロックチェーンでどう解決すべきか」という記事を公開しています。

この記事では、新型コロナウイルスによるサプライチェーンの混乱について書かれています。世界経済フォーラムは、サプライヤーがデータを共有してこなかった現状があり、サプライチェーンでの可視性が不足していることから、サプライチェーンはブロックチェーンをプラットフォームにして行われるべきだという結論を出しました。そして、国際商工会議所の貿易金融市場に対応する方針も同様のケースだと考えられます。

国際商工会議所は電子データでのやり取りを法律化して、各国が貿易金融を運営していくべきだという意見を伝えています。つまり貿易金融領域においてコンソーシアムブロックチェーンを構築していき、人が介さずとも正しい取引が行われるシステムが必要だということです。

このように新型コロナウイルスにより、経済システムとしてあるべきではない姿が可視化され、改善されていくのは、非常に良いことではないかとあたらしい経済編集部は考えています。

世界中の企業や組織がブロックチェーンの有用性を知る機会になるのかもしれません。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

イメージ:Tuadesk

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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