bitFlyer BlockchainがmiyabiをBaaSとして提供開始
株式会社bitFlyer Blockchainが、同社オリジナルのエンタープライズ向けブロックチェーン「miyabi」をBaaS(Blockchain as a Service)として提供開始することを4月8日発表した。
miyabiは、同社が開発したコンセンサスアルゴリズム「BFK2」、実行エンジン「理(ことわり)」を実装しており、4,000件/秒を超える高速スループットを実現し堅牢なセキュリティを確保する純国産のブロックチェーンだ。
またmiyabiは、2016年より約4年間のサービス運用の実績があり、活用事例として住友商事・三井住友海上・Microsoft・デロイトトーマツなどの企業の名前が挙げられている。
従来miyabiのサービス提供方法は、ライセンス型の販売モデルを採用していたが、ユーザーの「利用用途や目的にあわせた規模でより早く、ブロックチェーンを導入・構築したい」といった要望を受け、今回BaaS (PaaS:Platform as a Service)モデルとして提供を開始することとなった。
今回提供を開始したBaaS(PaaS)は、ユーザーの利用用途や目的に応じた環境を選べるように4つのエディションを用意。ブロックチェーンを活用した PoC(概念実証)などのスモールビジネスに向けた「Economy」エディション、製造物のトレーサビリティやコンテンツの権利証明など汎用的な用途に対応する「Standard」エディション、セキュリティトークンなど金融商品の発行や異業種間コンソーシアムなど大規模な用途に対応する「Enterprise」エディション、グローバルな決済システムなどのハイトランザクションな用途にも適用可能な「Extreme」エディションがある。
編集部のコメント
BaaSとは、企業がクラウドベースのサービスを使用して、ブロックチェーンアプリケーションやスマートコントラクトなどを使用、管理できるようにするプラットフォームで、利用企業などはブロックチェーンベースのインフラストラクチャを設定、管理、実行することなく手軽に構築することができます。
BaaSの主なプロジェクトとして、AmazonのAmazon Managed Blockchain、MicrosoftのAzure Blockchain Service、IBMのIBM Blockchain Platformなどがあります。
miyabiのユースケースとしては昨年7月に発表された、住友商事株式会社と共同開発を進めている不動産賃貸契約プラットフォームで活用されています。同プラットフォームでは、住宅の賃貸契約を電子化した上で、物件の内見予約から契約までを行えるようになるとのことです。
また同じく昨年7月に発表された、株式会社イード、Tokyo Otaku Mode Inc.、オタクコイン協会と共同で実証実験を行っている、アニメニュース翻訳プラットフォーム「Tokyo Honyaku Quest」にもmiyabiは活用されています。同実証実験は、経済産業省が推し進めるコンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金(J-LOD)における「ブロックチェーン技術を活用したコンテンツの流通に関するシステムの開発・実証支援」の対象に選ばれています。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:LuckyStep48,Vit_Mar)