香港のデジタル資産のカストディ企業であるHex Trustが、R3 Cordaエンタープライズブロックチェーンとカストディソリューションとの統合を発表した。
これによって、Cordaを利用している金融機関はHex Trustが提供する「ZeroKeyソリューション」を使用して、Cordaプラットフォーム上に構築されたデジタル資産やトークンを保有できるようになるとのこと。
ZeroKeyソリューションは、複数のブロックチェーンに保存されたデジタル資産やトークンのシームレスな取引を可能にするもの。HexTrustは、香港のアンチマネーロンダリングおよびテロ資金調達対策条例の下でライセンスを取得している。
R3社のCROであるCathy Minter(キャシ・マインター)氏は「デジタル資産がますます注目されているなかで、当社のブロックチェーン技術がカストディプロセスのあらゆる段階で活用されていることを誇りに思っています。
Cordaの独自のスケーラビリティとセキュリティ特性は、規制の厳しい環境でもうまく適合していて、私たちは同じ機能を持つカストディアンを探していました。
私たちは、Hex Trustとデジタル資産のエンドツーエンドでの保管への取り組みにその活路を見つけました。
今はデジタル資産業界にとって非常にエキサイティングな時期であり、Hex Trustのようなパートナーとともに、この業界の発展に貢献できることを楽しみにしています」とコメント。
Hex Trust社のCEOのAlessio Quaglini(アレッシオ・クゥアギリニ)氏は「Hex Trustは、R3のCordaと統合した最初のカストディアンとなったことを誇りに思います。
Cordaは、複雑な要件を持つ高度に規制された組織のセキュリティ、スケーラビリティ、サポートを満たすことが証明されています。
R3のエコシステムに参加し、デジタル資産カストディプロバイダーとなることは、Hex Trustにとって大きな名誉であり、当社のチームが世界中の機関投資家のお客様に最も準拠したエンタープライズグレードのソリューションを提供することに力を注いできたことの証です。
当社のミッションは、お客様をつなぎ、最高のパブリックおよびプライベートブロックチェーンへのシームレスなアクセスを提供することです。このことを念頭に置いて、Cordaとの統合はHex Trustにとってもう一つの大きな一歩です」とコメントしている
編集部のコメント
Hex Trustは2018年に設立されたデジタル資産のエンタープライズグレードのカストディでアジアをリードする企業です。機関投資家向け金融サービス分野のイノベーターたちが率いるHex Trustは、銀行、金融機関、資産運用会社、企業がブロックチェーンエコシステムで安全かつ効率的に業務を行うための近代的なカストディソリューションを提供する独自のプラットフォームを構築しました。
Hex Trustのプラットフォームの市場をリードするセキュリティに関しては、IBMとの業務提携と製品統合によって強化されています。そして、独自技術であるZeroKey(TM)は、コールドストレージソリューションの最高レベルのセキュリティを維持しながら、複数のブロックチェーンに保存された資産へのシームレスな取引と迅速なアクセスを可能にします。
Hex Trustは、香港信託条例に基づく登録信託会社として、また、マネーロンダリングおよびテロ資金対策条例に基づく信託または会社サービスプロバイダー(TCSP)ライセンスを保有しています。
今後Hex Trustは香港に本社を置きながら、シンガポール、ベトナムにオフィスを構え、2020年にはヨーロッパにもオフィスを開設する予定となっています。
Cordaが初めてカストディ企業とシステム統合をしたことで本質的に新しい金融インフラに近づきつつあると、あたらしい経済編集部は考えています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
イメージ:(antoniokhr)