アララが鎌倉市役所内でブロックチェーン活用の職場コミュニケーション促進の実証実験実施
アララ株式会社が、鎌倉市役所において、ブロックチェーンを活用した個人間コイン流通サービスの実証実験を実施したことを3月31日に発表した。
同実証実験では同サービスを利用し、職場コミュニケーションの促進を目的に「ありがとう」の気持ちをデジタルコインで送りあう仕組みをつくる。
またブロックチェーン技術を活用することで、個々のやり取りをセキュアに記録し、集計しやすい形でのデータ格納を可能にするとともに運用コストの低減も期待できるとのことだ。
なお今回の実証実験は、鎌倉市ですでに実施されていた物理的な「グッドサンクスカード」を用いた職場内コミュニケーション活性の取り組みをスマホやPCに置き換えての利用を検証したものとのこと。
同サービスのブロックチェーンにはmijin Catapult(v.2)が基盤として使われているようだ。
同実証実験で期待できる効果として、紙カードでの運用と異なり、デジタルを活用することで管理者側で活用状況を把握できること、コミュニケーションの導線を可視化し、さらなる活性施策の検討材料につなげることができること、システムの開発・運用費を従来のシステムより低コストで実現できること。この3つが見込まれている。
同実証実験の実施期間は2020年2月3日~3月31日の間で鎌倉市役所職員120名に対して行われた。
同社は、同実証実験結果のデータ分析と解析を進め、社内コミュニケーションの活性化をはじめ、インセンティブとしての利用など、さらなるサービスの改善に取り組んでいくとのことだ。
編集部のコメント
アララ株式会社は同様の実証実験を、2019年4月17日~6月14日の期間に、大阪商工会議所にて同会議所の有志職員26名に対して行っています。その際の実験結果として、「良い行動」に対して、コインを送りあい貢献を可視化するなかで、部門や年齢を超えたやり取りが生じ、コミュニケーションの活性化に繋がることが分かっています。80%以上の参加者が利用前と比べてコミュニケーションが活性化したと感じたとのことで、やり取りの頻度としては、週1回が過半数をしめ、「メールを送るほどでもない内容やSNSを知らない相手とのやりとりのキッカケになった」などの意見が寄せられたとのことです。
今回の鎌倉市役所での実証実験では、大阪商工会議所での実証実験と比べ、対象となる人数が多くなることで、今回鎌倉で行われる実証実験にどのような違いや共通点が出てくるのか実験結果に非常に興味があります。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:antoniokhr)