NFTやミームコインに続き
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が暗号資産(仮想通貨)関連事業の一環として、不動産をテーマにしたゲームの開発を進めていると報じられた。フォーチュン誌が4月15日、関係者の話として伝えている。
このゲームは、ボードゲーム「モノポリー」に似た形式で、プレイヤーがデジタルボード上で建物を建設し、暗号資産を獲得する仕組みになるとされる。匿名の関係者によれば、モバイル版ゲーム「モノポリーGO!(MONOPOLY GO!)」の派生型に近い内容だという。
このプロジェクトには、過去にトランプ氏のNFTやミームコイン「TRUMP」の立ち上げに関与したビル・ザンカー(Bill Zanker)氏が関わっているという。ただしザンカー氏の広報担当者は、このゲームが「モノポリーGO!」と類似していることを否定している。
一方、モノポリーの知的財産権を保有するハスブロ(Hasbro)社は、トランプ氏関連の組織に対し、暗号資産事業でのIP(知的財産)の使用を許可した事実はないとコメントしている。
またこのプロジェクトは、トランプ氏が大統領に就任する前に立ち上げが検討されていたという話もある。
ザンカー氏は2024年5月、過去に発売されたトランプ版モノポリー「Trump: The Game」のライセンスを買い戻すため、ハスブロ社に接触したとされるが、同社は「30年以上前に失効済みであり、現在は権利が存在しない」と回答したという。
トランプ氏はこれまでに、自身のNFTコレクション及びミームコインのローンチ、トランプ一族が関与するDeFiプロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」の展開など、複数の暗号資産関連ビジネスに携わっている。
こうした取り組みに対しては、利益相反や倫理的懸念を指摘する声もある。
米民主党下院議員のサム・リカルド(Sam Liccardo)氏は今年2月、大統領やその家族、政府高官によるミームコインの発行を禁じる法案「現代的な利益と不正行為の取締法(Modern Emoluments and Malfeasance Enforcement:MEME法)」を提出。
このMEME法案では、大統領、副大統領、連邦議会議員、行政機関の高官、そしてその配偶者や扶養家族が、証券、先物、商品、またはデジタル資産の発行・支援・支持を行うことを禁止している。
さらに、連邦職員がミームコイン発行後に金銭的利益を得る可能性のある宣伝活動やその他の関与を行うことも禁じる内容が含まれている。
参考:フォーチュン誌
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