JPモルガン、英ポンド建てブロックチェーン口座を英国で提供開始=報道

Kinexys通じ24時間決済が可能に

米国の銀行大手JPモルガン(JPMorgan)が提供するブロックチェーン基盤の決済システム「キネクシス(Kinexys)」において、英ポンド(GBP)建てのブロックチェーン預金口座の提供が英国で開始された。暗号資産関連メディアの「ザ・ブロック(The Block)」が、JPモルガン広報とのやり取りをもとに4月14日報じている。

JPモルガンによれば、今回の英ポンド建てブロックチェーン預金口座の導入により、同社法人顧客は24時間365日体制で、国境を越えた取引および外国為替取引をシームレスに行えるようになるという。

これにより、法人顧客は平日だけでなく週末や当日中にも外国為替決済を行うことが可能となり、資金への即時アクセスが可能になることで、柔軟性・迅速性・業務効率の向上が期待されるとのこと。

今回の英ポンド建て口座の導入により、顧客はポンド、ユーロ、米ドル間での資金移動を24時間体制で実行できるようになった。既にロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下の決済支援機関スワップエージェント(SwapAgent)およびスイス拠点の大手コモディティ取引企業トラフィギュラ(Trafigura)が、「キネクシス」上で英ポンド建て口座を開設したという。

スワップエージェントの最高経営責任者(CEO)であるネイサン・オンディヤック(Nathan Ondyak)氏は、「キネクシス」のブロックチェーン預金口座と同社サービスとの統合により、従来の銀行支店の営業時間外でも業務が継続できるようになる可能性があると述べており、将来的にはプログラム可能な形で決済を管理する体制の構築が可能になることを示唆した。

またトラフィギュラは、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールといった主要金融センター間でのリアルタイム決済を実現するために英ポンド口座を活用する方針だ。トラフィギュラは今後、流動性管理や取引執行の自動化に向けて、プログラム可能な決済ツールの導入も計画しているとのことだ。

「キネクシス」について

「キネクシス」は、ブロックチェーンを活用した法人向けの即時クロスボーダー決済プラットフォームだ。2023年11月に、JPモルガンのブロックチェーン部門「オニキス(Onyx)」の商用決済システムとしてリブランディングされた。

「キネクシス」は、「JPMコイン(JPM Coin)」を活用した決済サービスを提供する「キネクシスデジタルペイメント(旧称:JPMコインシステム)」、資産のトークン化やデジタル資産の管理を支援する「キネクシスデジタルアセット」、ブロックチェーン技術の研究開発を行う「キネクシスラボ」の3つの主要部門で構成されている。

「キネクシス」は、24時間365日稼働の決済処理を特徴とし、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、英ポンド(GBP)に対応している。

参考:THE BLOCK
画像:iStock/LewisTsePuiLung

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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