資本市場のデジタル化へ
アルゼンチンの証券規制当局(CNV)は、トークン化制度を現行の規制に組み込むためのパブリック・コンサルテーション(意見公募手続き)を実施すると、4月10日に発表した。
この新制度は、アルゼンチンの資本市場を近代化する取り組みであると、CNVは説明している。
CNVによれば、本制度においては「株式(ADRやCDR等を含む二重上場株式)」、「譲渡性のある債務証書」、「クローズドエンド型投資信託の持分」、「公募による金融信託の債券または受益証券」について、それらの一部または全部をトークンとしてデジタル表現することが可能となる。
この制度が採用されれば、これらの有価証券や金融資産はブロックチェーン上でデジタル化され、認可を受けた暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォーム(Proveedores de Servicios de Activos Virtuales:PSAV)を通じて取引可能となる。
この制度は、最長1年間の試験的な「サンドボックス(規制緩和実験)」環境下で運用される。この期間中に発行されたトークン化証券は、その後も効力を持つが、1年の試験期間終了後には新たな発行ができなくなる。また、発行済証券については2年以内にトークン化されなければ、この制度との関連性を失うとされている。
CNVのロベルト・シルバ(Roberto Silva)会長は、「PSAV規制に続き、数か月にわたる作業を経て、トークン化制度を提示することとなった。この取り組みによって、アルゼンチンは先進国の中でも最前線に立ち、地域における規範的存在になり得る」と述べた上で、「パブリック・コンサルテーションを通じて幅広く意見を募集し、より良い最終制度案を策定したい」との意向を示している。
アルゼンチンでは2023年、親暗号資産派のハビエル・ミレイ(Javier Milei)氏が大統領に就任。
また、経済不安やインフレ対策の一環として暗号資産を受け入れる姿勢でも知られている。
2024年3月には、金融情報局(UIF)およびCNVが、PSAVに対する登録制度を導入し、暗号資産規制の明確化へ向けた整備を進めている。
参考:発表
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