NY州司法長官が議会に暗号資産の規制強化を要請
米ニューヨーク州司法長官のレティシア・ジェームズ(Letitia James)氏が、暗号資産(仮想通貨)に関する連邦規制の枠組みを創設する法案を可決するよう議会に4月10日求めた。ジェームズ氏は、暗号資産投資家に対する保護が緊急に必要であると主張している。
ジェームズ氏は、ジョン・スーン(John Thune)上院多数党院内総務やマイク・ジョンソン(Mike Johnson)下院議長を含む米議会の主要指導部に宛てた書簡の中で、暗号資産関連企業に連邦規制機関への登録を義務付け、暗号資産の上場に関する最低基準を設定すべきだと訴えた。
ジェームズ氏の書簡は、米議会が初めてステーブルコインに関する規制法案を可決する可能性が高まる中で提出された。ステーブルコインとは、一定の価値(米ドルと1対1のペッグ等)を維持するよう設計された暗号資産であり、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など他の暗号資産との資金移動に頻繁に使用されている。
ジェームズ氏は書簡の中で、ステーブルコイン発行者に対して米国内での業務拠点の設置を義務付け、米国債およびその他の現金同等物を米国内の銀行に預託するよう法的に求めるべきだと述べた。
デジタル資産業界は、昨年の米中間選挙で暗号資産推進派の連邦議員候補を支援するために1億1,900万ドル(約180億円)以上を費やしたことで、ワシントンにおける影響力を強めている。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、大統領選挙運動中に業界から資金支援を受けたのち、米国の暗号資産政策の大幅な見直しを図っている。
トランプ氏のデジタル資産顧問評議会を率いるボー・ハインズ(Bo Hines)氏は先月、ホワイトハウスが8月までにステーブルコイン法案の可決を目指していると述べていた。
「暗号資産やデジタル資産に投資するニューヨーク市民は数え切れないほど存在しており、彼らとその資金を保護するためにさらなる対策が必要である」とジェームズ氏は述べた。また「ニューヨーク州および全米で数千人の投資家が、より強力な連邦規制があれば防げたはずの暗号資産詐欺やスキャム(不正行為)によって数百万ドルを失っている」と同氏はコメントしている。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
New York attorney general urges Congress to bolster crypto regulations
(Reporting by Hannah Lang in New York; Editing by Marguerita Choy)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters