アバランチ、Cチェーン手数料最適化する「Avalanche Octane」メインネットローンチ

Avalanche Octaneアップグレードがメインネットにローンチ

アバランチ(Avalanche)Cチェーン(Contract Chain)の手数料メカニズムを最適化するアップグレード「アバランチオクタン(Avalanche Octane)」がメインネットにローンチした。このアップグレードは2025年4月8日の午後3時(UTC)に有効になったとのことだ。

このアップグレードはアバランチコミュニティ提案176(ACP-176)「Dynamic EVM Gas Limits and Price Discovery Updates」に基づいており、ガスターゲットの動的調整と価格発見メカニズムの改善を実装している。Fujiテストネットで成功したテストの後、メインネットリリースが公開された。

この新バージョンはプロトコルの最適化を含んでおり、古いバージョンとの互換性がないという。アクティベーション後、v1.13.0以前のクライアントソフトウェアは使用できなくなるためメインネットのノード運営者に対してクライアントソフトウェアの更新が促されている。

これまでCチェーンは、10秒間のローリングウィンドウごとに15,000,000ガスという静的ガスターゲットで動作していた。これはイーサリアムで採用されている手数料に関する提案であるEIP-1559の動的手数料メカニズムの修正版を使用しているが、大きなブロックの後にガス価格が急騰するという欠点があった。

新しい手数料メカニズムは、ACP-103で導入されたものと同じ仕組みを実装しており、ブロックのベース手数料を決定する。これにより、Cチェーン上のトランザクション手数料を大幅に低減することが可能になった。なおACP-103は、Avalanche 9000アップグレードで実装されたPチェーン(Platform Chain)およびXチェーン(Exchange Chain)に動的手数料メカニズムを実装するという改善提案。

さらに「アバランチオクタン」では、バリデータ(検証者)がターゲットガス消費率を動的に調整できるよう修正が加えられている。これまでは静的ターゲットガス消費率の変更にはネットワークアップグレードが必要だったが、本アップグレードではネットワークのバリデータの選考に基づいて動的に調整可能となる。

バリデータは希望するターゲットガス消費率のデフォルト設定値を設定できるほか、各自の判断に基づいて独自に値を設定することも可能だ。例えば高いトランザクション処理速度(TPS)と低いガス手数料を重視するバリデータは、過去のターゲットよりも高い値を設定することでガス消費を増加させられるという。

このアップグレードは、アバランチの低コストで高性能なブロックチェーン体験の提供という取り組みの一環だ。動的ガスリミットの導入と価格発見の改良により、高需要期間中でも安定した予測可能なトランザクション手数料を維持する能力が向上するとのことだ。

Cチェーンはスマートコントラクトが実行可能な「アバランチ」におけるプライマリーネットワークの一つで、dAppsの開発や運用に利用されている。「アバランチ」のプライマリーネットワークには他にも、Pチェーン(Platform Chain)、Xチェーン(Exchange Chain)が存在し、それぞれ異なる役割を担っている。 

参考:アバランチブログ
画像:iStocks/natasaadzic

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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