世界食糧計画USAが暗号資産での寄付を受付開始
米ワシントンDCに本部を置く非営利団体の世界食糧計画USA(World Food Program USA)が、暗号資産(仮想通貨)での寄付受付開始を4月8日に発表した。
寄付の対象となる暗号資産は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、米ドル建てステーブルコイン「USDC」などの80銘柄以上になるとのこと。
今回の取り組みにあたり世界食糧計画USAは、暗号資産の寄付プラットフォーム提供の米企業「ザ・ギビングブロック(The Giving Block)」と提携している。
世界食糧計画USAは、現在120以上の国と地域の命を守る食糧支援活動を行っている支援団体「国連世界食糧計画(WFP)」の1つだ。
世界的な飢餓の深刻化、国際的な人道支援予算の縮小、暗号資産での寄付の広まりを背景に始まった今回の取り組みは、同団体の支援活動を迅速かつ安全に支える、新たな手段となることが期待されている。
発表によると現在、約200万人が飢饉の瀬戸際にあり、数千万の人々が「WFP」の支援に命を託しているとのこと。
この危機的状況を受け、世界食糧計画USAは「緊急飢餓救済基金(Emergency Hunger Relief Fund)」を立ち上げ、米国内の企業・個人から2,500万ドル(約37億円)以上の資金を募り、5,800万人に救命支援を提供するプログラムを2025年3月31日に開始したという。
今回の取り組みは、このプログラムの資金不足を補うために開始されたとのことだ。
「WFP」では既に、「ザ・ギビングブロック(The Giving Block)」のプログラムを通じて、ブロックチェーンを活用し、デジタルウォレットを介して難民に直接支援物資を届けているという。これにより取引コストは98%削減され、不正行為の減少と個人データの保護を実現しているとのこと。
またこのプログラムは現地の銀行を介さずに支援物資を届けられるため、緊急時の支援物資の迅速な提供にも貢献するとのことだ。
ちなみに8日には、「WFP」が米政府から支援の打ち切りを受けたことを発表。その後、米国務省が複数の国についての打ち切りは間違いであるとし、再開をしている。
報道では、レバノン、シリア、ソマリア、ヨルダン、イラク、エクアドルの少なくとも6か国への支援は再開されるというが、アフガニスタンやイエメンについては打ち切られたままであるとのことだ。
参考:World Food Program USA
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