EU証券監督当局が暗号資産に関連した金融安定性リスクを警告
欧州連合(EU)の欧州証券市場監督機構(ESMA)は4月8日、暗号資産(仮想通貨)業界が成長し、従来の金融市場との関連が強まるにつれ、同業界の問題が将来的に金融の安定性全般にリスクをもたらす可能性があると警告した。
ESMAのエグゼクティブディレクター、ナターシャ・カゼナベ(Natasha Cazenave)氏は同機関のウェブサイトに掲載された欧州議会での演説で、「EUの金融市場は現在、広範な政治的・地政学的展開から生じる厳しい圧力にさらされている」と述べた。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が先週、貿易相手国に対する相互関税を発表して以降、世界の株式市場は暴落し、暗号資産も下落している。8日には下げの一部を回復する展開が見られたが、依然として不安定な取引が続いている。米当局はまた、暗号資産と従来の銀行セクターの間にある障壁の一部を取り除くことを目指している。
カゼナベ氏は「暗号資産市場はまだ比較的小さい。しかし、現在の市場環境では小規模な市場での混乱でさえ、われわれの金融システムにおけるより広範な安定性の問題を引き起こす可能性がある」と述べた。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
EU証券監督当局、暗号資産に関連した金融安定性リスクを警告
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters