テザーが米国市場専用のステーブルコイン検討
米ドル建てステーブルコイン「USDT」等を発行するテザー(Tether)社が、米国市場専用のステーブルコイン提供を検討していると、「フィナンシャルタイムズ(Financial Times)」や「ザブロック(The Block)」が4月7日に報じた。
なおテザー社は2018年以降、米国の個人および法人顧客へのサービス提供を停止している。
両メディアに対しテザー社CEOのパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)氏は、新たに提供を検討しているステーブルコインについて「アフリカなどの新興市場や金融包摂を支援するために開発したステーブルコインとは異なり、インフラ要件が大きく異なる大規模な規制対象機関のニーズを満たすように調整されることになるだろう」とコメントしている。
米国では現在、ステーブルコインに関する規制枠組みに向け、下院では「より良い台帳経済の実現に向けたステーブルコインの透明性および説明責任に関する法律:STABLE法」、上院では「「米国ステーブルコインのための国家的イノベーションの指導と確立法案:GENIUS法」がそれぞれ審議中である。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、8月までにステーブルコインに関する新たな規則を整備するよう求めている。
また米連邦準備理事会(FRB)のクリストファー・ウォラー(Christopher J. Waller)理事は4月4日、「ステーブルコインは国内決済システムに有益だが、多種多様なステーブルコインの流通を米金融システムが支えきれるとは思わない」との見解を表明している。
参考:FT・The Block・Tether
画像:Reuters