三井住友FGがステーブルコイン事業化の検討開始
三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)、三井住友銀行、TIS、米Ava Labs(アバラボ)、米Fireblocks(ファイアブロックス)の5社が、将来的なステーブルコインの事業化を視野に入れた利活用に関する共同検討を開始する。各社は、これについて3月21日に基本合意書を締結。4月2日に発表した。
発表によるとこの共同検討では、金融機関や事業者間で行われるホールセール領域での決済利用に耐えうるステーブルコインを発行・流通させるにあたり、満たすべき具体的な要件の定義について検討を行うとのこと。
またステーブルコインの特性を活かしたユースケースの探索・検討についても推進するという。
そしてこの共同検討は、「実証実験としての活用に留まらず、継続的な業務への活用を視野に入れたユースケースの具体化を目指す」と述べられている。
各社はステーブルコインについて、「国債・社債等の伝統的金融資産や、不動産等に代表される現実世界の資産をトークンという形で表象するRWA(Real World Asset)の決済手段としてのニーズもある」とし、各社連携のうえ、トークンビジネスの普及を国内外で後押しすると伝えた。
Ava Labsは、レイヤー1ブロックチェーン「Avalanche(アバランチ)」を開発する米企業。同ブロックチェーンを基盤に独自チェーン「L1(旧サブネット)」の構築など対応する企業向けツール「AvaCloud(アバクラウド)」等を提供している。
なお「L1」の採用を発表している日本企業には、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」運営のロイヤリティ マーケティング(LM)や福岡県北九州市に本社を置く東証スタンダード上場企業のマツモト、コナミデジタルエンタテインメントがある。そして今回の共同検討メンバーのTISインテックグループのTISは、同社提供のセキュリティトークン(デジタル証券)発行・管理プラットフォーム「STLINK」にて「L1」を採用。またその他にも米大手銀行のCiti(シティ)や韓国の大手通信企業SKテレコムの子会社SKプラネット(SK Planet)なども「L1」を利用している。
またFireblocksは、デジタル資産インフラ分野のソリューションをグローバルに展開する米企業。現在はBNYメロン、Galaxy(ギャラクシー)、Revolut(レボリュート)をはじめとする2,000以上の企業がFireblocksの技術を活用し、100以上のブロックチェーンと2億5,000万以上のウォレットにおいて、7兆ドル超のデジタル資産取引の安全性を確保している。
リリースには、「SMBCグループと、国内外でデジタルアセットをテーマとして先進的な取り組みを進めるTIS、Ava Labsおよび Fireblocksが連携して、将来的に新しい決済インフラとなりえるステーブルコインに関する共同検討を行うことは、国内における金融機能の効率化や高度化を後押しするためにも意義がある取り組みと考え、本合意書の締結に至った」と記されている。
なお日本においては2023年6月1日施行の改正資金決済法にて、一定のステーブルコインは電子決済手段として位置づけられ、発行・流通が可能となっている。そのため国内におけるステーブルコインの取り扱いは、資金決済法に基づき「電子決済手段等取引業」の登録を取得することが条件となる。
国内暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレード3月4日、「電子決済手段等取引業者」の登録を完了し、国内でステーブルコインを取り扱う企業として初のライセンスを取得。3月26日には、米ドル建てステーブルコイン「USDC」の一般向けの取扱いを同取引所は開始した。
参考:TIS
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