Cosmos開発者が「IBCプロトコル」をイーサリアムへ拡張、相互運用性強化に向け

コスモス開発者がコスモスエコシステムとイーサリアム間でIBCプロトコル利用へ

コスモス(Cosmos)エコシステムの開発者が、同エコシステムの基盤となる相互運用プロトコル「IBC」をイーサリアム(Ethereum)に拡張し、はじめてIBCを用いたトランザクションを実行したと3月27日に発表した。なおこの取り組みは、コスモスエコシステムとイーサリアムのネットワーク間のトークンのネイティブ相互運用性を強化する一環とみられている。

発表したのは、コスモスのコア貢献者であるインターチェーンラボ(Interchain Labs)の共同CEOであるマグナス・マレネック(Maghnus Mareneck)氏。同氏は「長年の待ち望みを経て、IBCは今、あらゆるエコシステムに接続しています」という言葉とともにトランザクションログを投稿した。

この動きは、インターチェーンラボを含むチームによるIBCの次期アップグレードである「Eureka」の一部であり、今年中に「IBC-go v10」の一部としてリリースされる予定だ。

このアップグレードは、IBCをブロックチェーン通信の普遍的な標準にするという開発者たちのビジョンに基づいており、その範囲をコスモスエコシステムだけでなく、イーサリアムやソラナ(Solana)などの主要ネットワークに拡大するものだ。最初のステップはイ、ーサリアムにコスモスエコシステムの中心となるチェーンであるコスモスハブ(Cosmos Hub)を接続することになる。

IBCは、コスモス内のプロジェクトによって策定されたブロックチェーン同士を相互運用する為の標準仕様だ。これを採用することでブロックチェーンを跨いだトークン転送などのデータ通信が可能になる。

コスモスでは最近、イーサリアムとの相互運用性を向上させる動きが活発だ。3月18日には、コスモス(Cosmos)のインフラストラクチャの開発・運営を支援するインターチェーン財団(ICF)が、Evmos(エヴモス)をオープンソース化し、コスモスのマルチチェーンエコシステム向けの標準EVMフレームワーク「Cosmos EVM」として展開すると発表した。

なおEvmosは、「Cosmos SDK」を用いて開発されたEVM(イーサリアム仮想マシン)と互換性のある仮想マシンを搭載したProof of Stakse(PoS)のブロックチェーンだ。 

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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