Suiの分散型ストレージ「Walrus」、メインネットローンチ

「Walrus」がメインネットローンチ

レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」上に構築された分散型ストレージネットワーク「ウォルラス(Walrus)」が3月27日にメインネットローンチした。「ウォルラス」を支援するウォルラス財団(Walrus Foundation)が同日発表した。

またメインネットの公開と同時に同ネットワークのネイティブトークン「WAL」も提供開始された。「WAL」は「ウォルラス」利用にあたり必要となるトークンだ。

「ウォルラス」は、昨年6月に「スイ」上の開発者に向け、開発者プレビューが公開されていた。

「スイ」を開発したミステンラボ(Mysten Labs)による第2弾の主要プロトコルとして開発された「ウォルラス」では、任意のアプリケーションで大規模なデータファイルを公開、読み取り、プログラム可能となっている。

「ウォルラス」上のアプリケーションは、Move言語ベースのスマートコントラクトを介して、オンチェーンおよびオフチェーンのデータファイル(BLOB) を管理できるため、ストレージライフサイクル全体でデータがサポートされるとのこと。

また「ウォルラス」の分散型ネットワークでは、100を超える独立したノードオペレーターがネットワークの整合性を維持しているという。このストレージモデルでは、ネットワークノードの最大3分の2がオフラインになったとしても、ユーザーデータは引き続き利用できるとのことだ。

そしてメインネットローンチと共に提供開始された「WAL」は、総供給量の60%以上がコミュニティに提供され、エアドロップ、助成金、開発者サポート、インセンティブ、ストレージ補助金などに活用されるとのこと。

全体の内訳としては、早期導入者および今後のエアドロップに10%、助成金や開発サポート、インセンティブプログラム、その他のエコシステムイニシアチブ用のコミュニティリザーブとして43%、「ウォルラス」に初期から貢献した開発者であるコア貢献者に30%、ストレージノードへの補助金として10%、資金調達に参加する投資家向けに7%となっている。

なお「WAL」は現在、ビットゲット(Bitget global)、ビッサム(Bithumb)、ビットヴァヴォ(Bitvavo)、バイビット(Bybit)、コインEx(CoinEx Globa)、コインワン(Coinone)、クリプトドットコム(Crypto.com)、キューブ(CUBE)、ゲート(Gate.io)、クーコイン(KuCoin)、クラーケン(Kraken Exchange)、MEXC、アップビット(Upbit Korea)に上場している。

ウォルラス財団は3月20日、「ウォルラス」のメインネットローンチに先駆け、トークンのプライベートセールを行い、 1億4,000万ドル(約209億円)の資金調達を実施したことを発表していた。

このトークンセールは、Standard Crypto主導のもと、a16z crypto、Electric Capital、Creditcoin、Lvna Capital、Protagonist、Franklin Templeton Digital Assets、Karatage、RW3 Ventures、Comma3 Ventures、The Raptor Groupが参加した。

ウォルラス財団は調達した資金を「ウォルラス」の分散型データストレージプロトコルとアプリケーション開発プラットフォームの拡張と保守に活用する予定としている。 

 

参考:WalrusWalrus2

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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