Sei財団が米23andMeの破産申請受け買収検討、遺伝子データをチェーン上に保存で情報保護

Sei財団が米23andMeの買収検討

レイヤー1ブロックチェーン「セイ(Sei)」を支援するセイ財団(Sei Foundation)が、米遺伝子検査サービス提供の23andMe(トゥウェンティー・スリー・アンド・ミー)の買収を検討している。「セイ」の公式Xより3月28日発表された。

セイ財団による23andMeの買収は、今月23日の同社による米連邦破産法11条の適用申請を受けてのこと。23andMeは会社更生手続きの一環として、5月14日に顧客1500万人余りの遺伝子情報を含む資産を競売にかけることを提案している。

セイ財団は、「ユーザーデータの主権は国家の安全保障の問題であると考えている」とし、「米国のバイオテクノロジーの先駆者が破産に直面すると、何百万人もの個人のゲノムデータが、透明性やオープンアクセスという同じ価値観を共有していない第三者の手に脆弱な状態で晒されることになる」とコメントしている。

セイ財団は23andMeの買収によって、同社サービスを「セイ」のチェーン上に展開する計画だという。

これにより、データは暗号化された機密転送がされ、データの所有権をユーザーに返還するとのこと。またユーザーが自身のデータの収益化方法を選択し、収益を共有できるようにするとも伝えられている。

「23andMeの買収は企業を救うという話ではなく、最も個人的なデータをユーザー自身が管理できる未来を築くという話だ」とセイ財団は述べている。

セイ財団は、近いうちに最新情報を共有するとし、今回の発表が金融アドバイスや勧誘でもなく、投資を勧めるものでもないと付け加えた。

セイ財団は今年1月、DeSci(ディサイ:分散型科学)分野への投資を目的とした6,500万ドル(約100億円)規模のベンチャーファンド「サピエンオープンサイエンスファンドI(Sapien Open Science Fund I)」を設立していた。このファンドでは、「セイ」ブロックチェーン上で構築されるDeSci関連のスタートアップに特化して投資を行うとしていた。

セイ財団の事業開発および投資責任者であるジャスティン・バーロウ(Justin Barlow)氏は、DeSciの可能性について「ヘルスケアや科学、バイオテクノロジーなど多岐にわたる分野に影響を与えられる普遍的なテーマであり、その規模は大きく成長する可能性があります」とし、また「私たちの目標は、この新しい分野を支えるインフラ、アプリケーション、コミュニティを構築する革新的な起業家を支援することです」と述べていた。

画像:iStocks/ivanmollov・Pict-Rider

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【3/31話題】Astar zkEVMがネットワーク停止、暗号資産を金融商品とする改正案は26年に国会提出かなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米ナスダック、グレースケールの「アバランチ(AVAX)投資信託」をETFとして上場申請

暗号資産(仮想通貨)運用会社グレースケール(Grayscale)が運営する暗号資産アバランチ(AVAX)の投資信託「グレースケール・アバランチ・トラスト(Grayscale Avalanche Trust)」の上場および取引開始に向け、米証券取引所「ナスダック(Nasdaq)」が3月27日付で米証券取引委員会(SEC)に提案書を提出した