フランス政府系銀行Bpifrance、デジタル資産分野へ最大40億円投資へ 

官民連携で国際競争力を強化

フランスの公的投資銀行ビーピーアイ・フランス(Bpifrance:Banque publique d’investissement)が、デジタル資産への投資戦略を促進する方針を3月27日に発表した。今後、同分野に最大2,500万ユーロ(約40億円)を投資し、関連するフランス企業への支援を強化していくという。

ビーピーアイ・フランスは、分散型金融(DeFi)、物理的ネットワーク、トークン化、リステーキング、L1、L2、L3、人工知能(AI)、ID認証など、新しいブロックチェーン関連のビジネスモデルを持つ国内プロジェクトに対して、直接的な投資支援を提供するとしている。

これまでにビーピーアイ・フランスはブロックチェーン関連プロジェクトに1億5,000万ユーロ(約244億円)以上を投資しており、スタートアップ企業への株式投資や、専用ファンドへの出資を通じて、200社以上のフランスのスタートアップを支援していることから、ブロックチェーン業界における主要な支援者として知られている。

ちなみにビーピーアイ・フランスは、ハードウエアウォレット開発のレジャー(Ledger)の資金調達にも参加している。

また、2022年からビーピーアイ・フランスは、デジタル資産(トークン)への投資戦略を試験的に開始した。アレフ・アイエム(Aleph.im)のデジタルトークンや分散型金融プロトコルのモルフォ(Morpho)への出資など、国内プロジェクトへの複数のパイロット事業を実施している。

フランスのAIおよびデジタル技術担当のクララ・シャパ(Clara Chappaz)副大臣は、「ビーピーアイ・フランスのイニシアティブは、フランスをこれらのテクノロジーの卓越した国にしたいという私たちの強い意志の表れ」だとし、「官民の投資家の関与は、わが国のエコシステムを国際舞台で持続的に位置づけるための鍵のひとつだ」と述べている。

このように、政府系の投資家による暗号資産関連企業への投資事例としては、今月13日に発表された、アブダビ政府が支援する投資グループMGXによる、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)への約20億ドル(約2,965億円)規模の出資が挙げられる。

バイナンスはこの取引を「初の機関投資家からの出資」と位置づけており、暗号資産業界においても過去最大級の投資案件の一つとなる。MGXはこの投資を通じてバイナンスの少数株主となる見込みで、投資はステーブルコインで行われる。

参考:発表
画像:iStock/pgraphis

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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