バイナンス、社員のフロントランニング疑惑で内部調査。停職処分報告し、公式内部告発チャンネルで監視強化へ

透明性重視と再発防止を強調

暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンス(Binance)のある社員がインサイダー情報を利用してフロントランニング取引を行ったとする告発を受け、同取引所の内部監査チームが、この件について調査を実施したことを3月23日に報告した。

ちなみにフロントランニングとは、ユーザーの取引を先回りして利益を得る手法のことだ。

なお、この調査はすでに終了しており、告発された社員は停職処分を受けたという。

この社員は、プロジェクトが行うトークン生成イベント(TGE)の前に大量のトークンを購入し、その一部を売却して利益を得た疑いで告発されていた。

バイナンスの調査によるとこの社員は事件発生当時、バイナンスウォレット(Binance Wallet)のチームに所属しており、当該プロジェクトとは業務上の関係はなかったという。

しかしこの社員はバイナンスウォレットチームに加入する前に、BNBチェーン(BNB Chain)の事業開発を行っていたという。

バイナンスは、「この社員がその際に得た情報とオンチェーンプロジェクトに関する知識を活用し、プロジェクトがTGEを計画していることを認識し、コミュニティの大きな関心を集めることを予測していた」と報告。

この社員は、プロジェクトによるトークンの一般公開発表に先立ち、複数の関連ウォレットアドレスを使用してプロジェクトのトークンを大量購入。その後、プロジェクトの発表直後に保有トークンの一部を売却し、多額の利益を得るとともに、残りのトークンで相当額の含み益を得ていたという。

バイナンスはこの社員の管轄当局と協力し、適用法に従って適切な法的措置を講じる予定だと報告している。また、関連する資産は、適用法および規則に従って処理されるとのことだ。

また、バイナンスは透明性と公平性を重視しており、今後も内部統制の強化とポリシーの改善を進め、再発防止に努めると報告している。

バイナンスは、コミュニティによる継続的な監視を受け入れる姿勢を示し、公式の内部告発チャンネルを通じて情報提供や報告を受け付けると述べている。

画像:iStock/ArtemisDiana

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【3/28話題】イーサリアムPectraのメインネット実装が仮決定、ゲームストップ株急落、Seiが23andMe買収検討など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

バイナンスが「Vote to List」の第1弾選出、「MUBARAK」・「BROCCOLI714」・「TUT」・「BANANAS31」を取扱

海外大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)で、ミームコインであるムバラク:Mubarak(MUBARAK)、CZ'Sドッグ:CZ'S Dog(BROCCOLI714)、チュートリアル:Tutorial(TUT)、バナナフォースケール:Banana For Scale(BANANAS31)の4銘柄の現物取引が開始された。バイナンスが3月27日に発表した