Fidelity Solana Fundの上場提案書提出
米証券取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)が、米大手資産運用会社フィデリティ(Fidelity)が運営する「フィデリティ・ソラナ・ファンド(Fidelity Solana Fund)」の上場および取引開始に向け、3月25日付で米証券取引委員会(SEC)に提案書を提出した。同ETFは、暗号資産ソラナ(SOL)の現物価格に基づく投資信託となる。
この提案が承認されれば、同ファンドは現物ETFとしてシーボーBZX取引所に上場する。なお、この申請は「19b-4申請書(Form 19b-4)」として提出されており、SECが同書類を受理次第、今後の審査を経て申請の承認または却下が決定される。
なお申請書には、「フィデリティ・ソラナ・ファンド」の一部資産をステーキングプロパイダーを通じてステーキングを可能にすると明記されている。ステーキングを行うことで、同ETFはSOLのステーキング報酬を受け取り、これがETFの収益として扱われる可能性がある。
なお「19b-4申請書」は、自主規制団体が規則変更を行う際にSECへ提出する必要がある書類であり、この承認を受けた後に「S-1申請書(Form S-1)」の最終承認が行われる。通常「S-1申請書」が先に提出され、SECの審査を経た後に「19b-4申請書」が提出される。その後SECが「19b-4申請書」を確認し、最終的に「S-1申請書」の承認が行われる。
しかし、現時点においてフィデリティによるSECへの「S-1申請書」の提出は確認されていない。
なお、フィデリティは今月20日付で米デラウェア州国務省に対し、「フィデリティ・ソラナ・ファンド」の登録申請を提出している。デラウェア州国務省の法人検索ページで確認できる。申請番号は10138042。
同申請によると、本ETFはデラウェア州で法定信託(Statutory Trust)として登録されている。法定信託はストラクチャードファイナンス取引または資産管理において活用される法人形態。受託者が受益者の利益のために資産管理又は業務運営を行う旨の信託契約を締結することによって組成される。そのため今回のETFは現物によるものとなる。
登録代理人にはデラウェア州を拠点とするサービスプロバイダーCSC(Corporation Service Company)の子会社であるCSCデラウェアトラストカンパニー(CSC Delaware Trust Company)が指定されている。
参考:シーボーBZX取引所
画像:iStock/Lidiia-Moor