トランプ一族のDeFiプロジェクト、米ドルステーブルコイン「USD1」発行

イーサリアムとBNBチェーン上で

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と、その家族が関わる暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial:WLFI)」が、米ドル連動型ステーブルコイン「World Liberty Financial USD(USD1)」を3月初旬に発行したようだ。この情報はイーサスキャン(Etherscan)で確認できる。

「USD1」はイーサリアム(Ethereum)とBNBチェーン(BNB Chain)上に展開されており、記事執筆時点(2025年3月25日)で、20日以上にわたって取引されている。

暗号資産取引所大手バイナンス(Binance)創業者の趙長鵬(チャンポン・ジャオ:CZ)氏は3月25日、自身のXにて、「USD1」がBNBチェーンにてデプロイされたことを報告し、歓迎の意を表した。

またCZ氏はこのポストの後、「USD1」と同じ名称の詐欺コインが出回っていることを報告し、正式な「USD1」はまだ取引可能ではないと述べ、詐欺に注意するよう警告した。

この投稿に対し、「WLFI」も反応し、「USD1」はまだ取引前であり、詐欺に注意するよう呼び掛けた。

なお米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は3月13日、トランプ大統領の一族がバイナンスの米国法人バイナンスUSへの資本参加に向けて協議したと報じた。

WSJによると、バイナンスはトランプ氏の関係者に昨年接触。資金洗浄規制違反を受けて米国から追放された同社が復帰する計画の一環として、トランプ一族との取引を持ちかけていたという。

しかし、この報道についてCZ氏とトランプ大統領は共にSNS上で否定している。

「WLFI」は、DeFi(分散型金融)の活用および米ドル建てステーブルコインの普及促進を目指すプロジェクト。同プロジェクトではガバナンストークンとなるWLFIの販売を行った。なおWLFIトークンは同プロジェクトへの投票権として機能する他、保有者は同プロジェクトへの提案が行える。

「WLFI」は、WLFIトークンの初回販売を昨年10月に開始。その際は1トークン0.015ドルで200億WLFIを販売し、3億ドルを調達した。

今年1月には2回目のトークンセールを開始し、1トークン0.05ドルで50億WLFIを販売。

これによりWLFIは、合計でWLFIトークンの総供給量1,000億WLFIの25%を販売し、合計5億5,000万ドルを調達した。

また、「WLFI」ではトークン販売前にも資金調達を行っており、トロン(Tron)創設者のジャスティン・サン氏や投資プラットフォームのWeb3Port、ベンチャーキャピタルのオディヤナ・ベンチャーズが投資している。

なお「WLFI」では、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、トロン(TRX)、チェーンリンク(LINK)、スイ(SUI)、オンドファイナンス(ONDO)、エセナ(ENA)、アバランチ(AVAX)、マントル(MNT)などのトークンを戦略的準備金として購入している。

さらに、「WLFI」は3月24日、マントル(MNT)を300万ドルで350万9,000MNT追加購入。平均取引価格は約0.84ドルだった。

参考:イーサスキャンアーカム

画像:iStock/Who_I_am

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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