フィデリティ、イーサリアム上の米国債ファンドをSECに申請

Fidelityがオンチェーン米国債ファンド提供へ

米大手資産運用会社フィデリティ(Fidelity)が、イーサリアム(Ethereum)上に構築されたオンチェーン米国債ファンド「フィデリティトレジャリーデジタルファンド/オンチェーン(Fidelity Treasury Digital Fund/OnChain)」の承認申請を、米国証券取引委員会(SEC)に対し3月21日付で提出した。

このファンドは、米国債に投資するマネーマーケットファンドの持ち分をトークン化し、イーサリアム上で記録することを目的としており、今年5月30日に発行される予定だ。

なお同ファンドは、フィデリティが2024年末から運用しているマネーマーケットファンド「FYHXX(Fidelity Treasury Digital Fund)」に、新たに追加された投資区分(クラス)「オンチェーン」として構成されている。

提出書によれば「オンチェーン」クラスの持ち分は、公式には信託機関の帳簿上で管理されるが、その所有情報はイーサリアム上にも記録されるという。なお、このファンドは暗号資産には一切投資せず、総資産の99.5%を現金および米国債に充てる方針で運用されるとのこと。

また、今後はイーサリアム以外のパブリックブロックチェーンでも同ファンドが展開される可能性があることが明記されている。

現在フィデリティの他にも、米大手資産運用企業ブラックロック(BlackRock)やフランクリンテンプルトン(Franklin Templeton)などが米国債やマネーマーケットファンドをオンチェーン化している。

今月14日、ブラックロックのトークン化ファンド「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」の運用資産額は10億ドル(約1,488億円)を突破しており、トークン化市場の成長を象徴する動きとなった。

参考:SEC
画像:iStock/FinkAvenue

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

合わせて読みたい記事

【4/21話題】メタプラネットが約40億円でビットコイン追加購入、NTT DigitalがLukka Insightsを国内初導入など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

Astar Networkがトークノミクス最適化アップデート実施、ステーキング報酬の見直しなど

アスターネットワーク(Astar Network)で、ネットワーク上の利用状況に応じて、独自アスター(ASTR)の発行量が調整される「ダイナミック・トークノミクス(Dynamic Tokenomics)」モデルのアップデートがガバナンス提案を通じて実施された。アスターネットワークの公式ブログで4月18日に発表された

韓国のブロックチェーン企業DSRV、日本のNext Finance Techと業務提携

韓国のブロックチェーン技術企業であるディーエスアールブイ(dsrv labs:DSRV)と、日本のブロックチェーンインフラ企業ネクストファイナンステック(Next Finance Tech:NFT)が、ブロックチェーンインフラサービスに関する業務提携に向けた基本合意書(MOU)を4月17日に締結した