丸紅がブロックチェーンを活用した鋼管トレードに関するトレーサビリティの実証実験開始
丸紅株式会社が、同社関連会社の伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社(MISI)の鋼管トレードにおいて、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティの実証実験を開始することを3月24日プレスリリースにて発表。
同実証実験では、MISI にて調達した鋼管を対象に、鋼管に関わる各種データをブロックチェーンに連携することで、トレーサビリティに関連する情報の信用性の向上を目指すとのこと。
また同実証実験用で使用するシステムは、丸紅の次世代事業開発本部が戦略的提携をしているシンガポールのブロックチェーン技術のアプリケーション開発会社である Blockchain Solutions Pte. Ltd.(BSG)が構築する。
プレスリリースによると丸紅グループでは、2017 年からブロックチェーン技術を利用した複数の実証実験を進めており、既に貿易取引など多くの実証において、ブロックチェーン技術の有効性が確認されているとのことだ。
編集部のコメント
丸紅株式会社のブロックチェーンによる取り組みは、2017年7月に株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社みずほ銀行、損害保険ジャパン日本興亜株式会社とともに、豪州・日本間での実貿易取引において、信用状発行から貿易書類受け渡しまでの業務を、ブロックチェーン/DLT 技術を利用したアプリケーション上で行い、取引を完了しています。これにより、貿易書類受け渡しにかかる時間の短縮化と貿易書類電子化による、書面発行と郵送に掛かる時間・人件費等コスト削減をしています。
2019年2月には、米国LO3 Energy Inc.と共同で、日本国内におけるブロックチェーン技術を用いた電力取引に係る実証実験を開始し、電力消費者と発電源にブロックチェーン機能搭載メーターを設置し、発電源で発電された電力を、電力消費者がバーチャル市場経由で購入したい価格を専用モバイルアプリにて設定し、購入することを模擬的に実施しています。
また2019年7月には、再生可能エネルギーを売買するためのオークションプラットフォームを開発する、リストニア共和国のブロックチェーンスタートアップ、WePower UAB社との間で、普通株転換権付融資拠出に関わる契約書を締結し、丸紅は再生可能エネルギーのオークションプラットフォーム開発に参入しています。
コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)
(images:NatalyaBurova)