米サークル「USDC」、EVM互換L1「Sonic」にネイティブ対応へ、「Story」は正規ブリッジ版が利用可能に

USDCがSonicにネイティブ対応へ

米サークル(Circle Internet Financial)発行の米ドル建てステーブルコイン「USDC」のネイティブ型トークンが、EVM互換レイヤー1(L1)ブロックチェーンのソニック(Sonic)に対応予定であることが3月21日に発表された。

ソニックは、最大10,000TPS(1秒あたりのトランザクション量)の処理能力、1秒未満のファイナリティ(最終確定時間)、そしてイーサリアム(Ethereum)とのネイティブな相互運用性を特徴としている。

また今回サークルは、ネイティブ型「USDC」のブロックチェーン間転送を可能にする「クロスチェーン転送プロトコル(Cross-Chain Transfer Protocol:CCTP)」もソニックに対応予定であると伝えている。

これらの対応開始は、近日中であるとのことだ。

ネイティブ型「USDC」は、サークルが公式に発行する「USDC」であり、常に米ドルと1対1で償還が可能だ。そのため価格がドルと乖離してしまうディペグが起こる可能性が低いという特徴がある。

ソニックへの対応によりネイティブ「USDC」は、合計20チェーン上で発行されることになる。

現在の対応ネットワークは、イーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、アルゴランド(Algorand)、アバランチ(Avalanche)、ヘデラ(Hedera)、ステラ(Stellar)、ノーブル(Noble:コスモスエコシステム)、アービトラムワン(Arbitrum One)、ベース(Base)、OPメインネット(OP Mainnet)、ニア(NEAR)、ポルカドット(Polkadot)エコシステム、ポリゴンPoS(Polygon PoS)、セロ(Celo)、ズィーケーシンク・エラ(zkSync Era)、スイ(Sui)、アプトス(Aptos)、ユニチェーン(Unichain)の18チェーン。リネア(Linea)にも対応する予定が今月発表されている。

また「CCTP」は、イーサリアム(Ethereum)、OPメインネット(OP Mainnet)、アービトラム(Arbitrum)、ポリゴンPOS(Polygon POS)、アバランチ(Avalanche)、ベース(Base)、ノーブル(Noble)、ソラナ(Solana)、スイ(Sui)、アプトス(Aptos)、ユニチェーン(Unichain)の11チェーンに対応している。11×10=110のルートでネイティブ「USDC」が転送可能だ。こちらもリネア(Linea)対応が予定されている。

Story ProtocolにBridged USDC Standard対応開始

また3月18日には、IPのトークン化に特化したEVM互換のL1チェーンのストーリープロトコル(Story Protocol)が、サークルが定める「USDC」の標準規格「ブリッジドUSDCスタンダード(Bridged USDC Standard)」に対応開始したことが発表されている。

「ブリッジドUSDCスタンダード」は、対象チェーンでのネイティブ型「USDC」サポートがサークルによって決定された際、対象チェーン上で利用されている既存のブリッジ型の「USDC」からシームレスに移行を可能にするために開発された標準規格だ。

同規格を採用したブリッジ型「USDC」は、ネイティブ型に移行が可能であるため、これまで起きていた同じブロックチェーンに2種類以上の「USDC」が存在するという問題や流動性の分散といった問題の解決が同規格によって期待されている。

なおストーリープロトコルは、クリエイターが知的財産(IP)をトークン化し、ブロックチェーン上で管理・活用できるようにするレイヤー1ブロックチェーンプロジェクト。同プロトコル開発のIP管理システムである「Programmable IP License(PIL)」を使用することで、従来の法律に準拠しつつもブロックチェーンベースでのライセンス管理を可能にしている。 

 

 画像:iStocks/StationaryTraveller・iam2mai

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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