Solanaのインフレ率削減提案「SIMD-228」が否決

Solanaの「SIMD-228」が否決

3月14日に実施されたソラナ(Solana)のガバナンス投票において、トークン供給の変更を目指す提案「SIMD-228」が否決された。この提案は、可決に必要とされる66.67%の賛成票に達せず、賛成票は全体の61.4%にとどまった。

「SIMD-228」は、現行の1年毎にインフレ率が固定される固定インフレスケジュールから、ステーキング参加率に基づく動的な市場ベースの発行モデルへの移行提案だ。これまでのモデルは、年間4.66%から最終的に1.5%を目指し毎年15%ずつインフレ率を減少させるものであったが、この新モデルはステーキング参加率に応じてインフレ率を動的に変動させることでステーキング参加率を下げることなくソラナのインフレ率を年間1%未満に引き下げることを目指していた。

なお「SIMD-228」の投票には、ほかの提案への参加率を大きく上回る量であるステーキングされたSOLの約74%が参加した。

提案の共著者であり、マルチコインキャピタル(Multicoin Capital)の共同創設者であるトゥーシャー・ジェイン(Tushar Jain)氏はXで「SIMD-228は、エコシステム、チェーン、ネットワークの参加者数と参加時価総額の両方において、史上最大の暗号資産ガバナンス投票だった」と述べ、「この投票は、ネットワークが繁栄し、完全に分散化されていることの証拠だ」と語っている。

同提案の支持者らは、「SIMD-228」はSOLの希少性と価値を高めることで長期保有者に利益をもたらす可能性があると主張していた。一方、反対派は小規模なステーカーやバリデーターの収益性に悪影響を与える可能性を懸念し反対した。

今回の結果を受け、ソラナのトークン供給体制は変更されず、現行のインフレモデルが維持される見通しとなっている。

なお同時に行われていた別のガバナンス提案「SIMD-123」は、賛成票の75%近くを獲得して可決された。この提案は、バリデーターが収益の一部をステーカーと共有できるようにするメカニズムを導入するものだ。

ソラナでは現在、一部のバリデーターはステーカーにインセンティブを与えるオフチェーンソリューションを選択しているが、「SIMD-123」の可決により報酬配布が正式にオンチェーンに移行され、透明性がさらに高まることが期待されている。

参考:ガバナンス
画像:PIXTA

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田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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