JCBA、RWAトークン利活用に関するガイドライン公表

課題解決に向けた論点を整理

日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が、「RWAトークンの利活用に関するガイドライン」を3月13日公開した。

このガイドラインは、経済産業省の令和5年度補正「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」テーマ①-1:「現物資産や無形資産のデジタル化市場(発行・流通市場)構築(ガイドライン)」に関する実証事業として、昨年8月から取り組まれてきたという。

全4章で構成された同ガイドラインでは、第1章で概要と事例紹介、第2章でトークン移転と現実資産移転に関する論点整理、第3章でトークンの権利義務関係の整理、第4章で中長期的課題についてが説明されている。

なお、別添参考資料として利用規約のひな形(トークンに係る利用規約のひな形、プラットフォームに係る利用規約のひな形)が添付された。

RWAトークンの課題

RWAトークンには「クロスボーダーを含む移転(流通)」、「分割(小口化)」、「流通経路の追跡」が容易になるというメリットがある一方で、特有の課題もあった。

具体的には、トークン移転によって現実資産の権利移転を法律上確実に担保することが困難であることや、トークンに紐づく権利関係・会計処理が不透明である点などが挙げられている。

今回のガイドラインでは、それらの課題解決に向けた論点整理が行われた。

ガイドライン概要

ガイドラインでは、ブロックチェーン上のトークン移転を、紐づく現実資産等の移転とみなすための要件整理や、各種RWAトークンの権利・債務関係を実務上整理し、会計監査を円滑にするための利用規約ひな型を作成するといった対応が示されている。

またガイドラインでは、国内のRWAトークンの活用事例として、日本酒と引換え可能なNFT「酒チケット」を購入できるマーケットプレイス「Sake World NFT」と、別荘の宿泊利用権をNFTとして販売するサービス「NOT A HOTEL」が紹介されている。

JCBAは、このガイドラインと利用規約の他に、補足説明資料を作成しており、この資料は、企業における社内法務担当や弁護士、会計監査対応や社内外への説明資料として活用できるとしている。

参考:発表
画像:iStock/artsstock・Godruma

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