ロシア、中国やインドとの原油取引に暗号資産利用か、西側諸国の制裁回避で=報道

ロシアが中国やインドとの原油取引に暗号資産利用か

ロシアが、中国やインドとの原油取引において、西側諸国の制裁を回避するために暗号資産(仮想通貨)を利用しているとロイターが3月14日に報じた。ロイターは事情に詳しい人物からの情報として報道している。

報道によると原油取引を行う一部のロシアの石油会社は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の他、USDTなどのステーブルコインを、中国元(CNY)やインドルピー(INR)をロシアルーブル(RUB)に両替する際に使用しているとのこと。

ロシア産原油の中国人バイヤーが、仲介役の貿易会社の口座へ人民元で支払い、仲介業者はこれを暗号資産に変換して別の口座へ送金し、そこからロシアの第3の口座に送金され、ルーブルに変換されるという。

あるロシアの原油トレーダーの中国への販売では、暗号資産の取引額は月間数千万ドルにも及ぶとのこと。

ロシアでは昨年夏、西側諸国からの制裁を回避するため、対外貿易決済でビットコインなど暗号資産の使用を認める法改正を行っている。昨年12月にロシアのアントン・シルアノフ(Anton Siluanov)財務相は、ロシア企業が対外貿易の決済手段として暗号資産を利用し始めていることを明らかにしていた。

同国における石油取引においての暗号資産の使用は、今回初めて報告された形となる。

なおロシアでは先日3月12日、ロシア中央銀行が、富裕層を対象とした特定の暗号資産投資に関して規制を提案し、「特別に認定された」投資家が暗号資産を取引できるようにする計画を3月12日に発表している。

ただしロシア国内においては、暗号資産は依然として決済手段としての使用が禁止されている。

参考:ロイター
画像:iStocks/royyimzy・PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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