イーサリアム財団の宮口あやがエグゼクティブ・ディレクター退任。ヴィタリックはリーダーシップ構造刷新に取り組んでいると強調

宮口あや氏がEFのプレジデントに

イーサリアム財団(Ethereum Foundation:EF)のエグゼクティブ・ディレクターである宮口あや氏が、同役職を辞任し、新たにプレジデントに就任することが2月25日に発表された。

宮口氏は「インフィニティガーデンの新章(A new chapter in the infinite garden)」と題したブログにて自身の進退を発表。「エグゼクティブ・ディレクターとしての役目を終え、同財団のプレジデントとして新たな役割を担う」と宣言した。

また宮口氏は「この数週間で、イーサリアムについて深い洞察が得られた。ネットワークのパフォーマンスやETHの市場価値をめぐって議論が起こるような緊張の瞬間において、最も明確になる真実に気づいた」とし、「世界中のチームや個人が、あたかも自分たちのもののようにイーサリアムについて語っているが、この緊張こそが私たちの最大の強みだ。イーサリアムは誰のものでもないからこそ、すべての人に属する」と述べている。

宮口氏によれば、自身のプレジデントへの移行の可能性については、1年前にイーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏と話していたという。

宮口氏はプレジデントとして「EFの組織関係のサポートを継続」するとのこと。

ブテリン氏は「宮口氏はEFのエグゼクティブ・ディレクターとしての7年間で多くのことを成し遂げた。私の見解では、エグゼクティブ・ディレクターの役割は、他の人が輝いて最高の仕事をできる環境を作ることだ。つまり、EFのあらゆる成功(ハード フォークの着実な実行、クライアント相互運用ワークショップ、Devcon、イーサリアムの文化、その使命と価値への確固たる取り組みなど)は、部分的には宮口氏の管理の結果だ」と宮口氏を評価した。

また、宮口氏が今後もこれまで同様EFをサポートし続ける間、ブテリン氏らは新しいEFリーダーシップ構造に取り組むとのこと。これに関しては、近日中に発表があるとのことだ。

宮口氏の今回の発表は、EFの中心メンバーの刷新を求めるコミュニティからの討論が沸き上がる中で行われた。

ブテリン氏は1月19日にXへの投稿で、EFのリーダーシップ体制に「大きな変更を加えるプロセス」が進行中であることを明かしていた。ただしこれに伴いコミュニティでは、財団の中心メンバーに辞任の圧力をかけようとする声が上がっていた。

コミュニティでは新たなエグゼクティブ・ディレクターとして元EF研究者でイーサリアムメインネットの大型アップデート「マージ(The Merge)」を監督したダニー・ライアン(Danny Ryan)氏と、イーサリアムフランスの社長ジェローム・デ・ティシェイ(Jerome de Tychey)氏を推薦する声が多く上がっている。

画像:PIXTA

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