SEC、暗号資産企業に対する訴訟案件を精査。ミームコイン規制の権限についても言及=報道

クリプトママがインタビューに答える

米国証券取引委員会(SEC)のコミッショナーであり「Crypto Mom(クリプトママ)」として知られるヘスター・ピアース(Hester Peirce)氏によれば、SECはデジタル資産の規制について新たな方針を策定中であり、暗号資産(仮想通貨)企業に対する訴訟案件を精査しているという。ピアーズ氏が、「ブルームバーグ・クリプト」のテレビインタビューにて2月12日述べた。

ピアーズ氏は、「ここ数年、執行事例が規制政策の手段として利用されてきた。これは非常に不適切だ」とし、SECは政策を策定するため、他の手段を効果的に活用する本来の道に戻ろうとしていると述べた。

SECは2月11日、デジタル資産の規制枠組みの策定が進行中であることを理由に、世界最大の暗号資産取引所であるバイナンス(Binance)に対する訴訟において60日の延期を求めた。

今回のインタビューにてピアーズ氏は、SECがバイナンスへの訴訟を取り下げるかについては言及せず、具体的な案件についての議論はできないとした。

ミームコインについても言及

またピアーズ氏は、多くのミームコインはSECの管轄外である可能性が高いと述べた。

ミームコインの規制については、米国議会または商品先物取引委員会(CFTC)が対処する可能性があるとピアーズ氏は述べている。

ミームコインは以前より暗号資産エコシステム上に存在したが、ソラナ(Solana)発のミームコイン作成・取引プラットフォーム「パンプファン(Pump.Fun)」の登場等により、昨年から再び関心を集めている。

このブームを受けてか現米大統領のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は大統領就任式前の1月17日、自身の名を冠した「公式」ミームコイン「OFFICIAL TRUMP:オフィシャルトランプ(TRUMP)」を発行した。

「TRUMP」を取り扱う業者は、1月30日までに取引手数料として総額8,600万~1億ドル(約133億~155億円)を稼ぎ出したという。

規制整備タスクフォースを率いる

ジョー・バイデン(Joe Biden)前政権下でSECは、暗号資産業界への規制を強化し、コインベース(Coinbase)やクラーケン(Kraken)といった業者をルール違反で提訴。業界からは、証券法に基づいたSECの監督の仕組みが不透明で、暗号資産独自のルールを確立すべきだとの不満がくすぶっていた。

1月22日、SECはピアース氏が主導する規制体系を整備するための専門チーム(タスクフォース)を結成したと発表した。

トランプ政権下でSEC委員長代行に指名された共和党委員のマーク・ウエダ(Mark Uyeda)氏の事務局は、「専門チームは、SECがはっきりした規制の線引きをして、登録に向けた現実的な道筋を提供し、妥当な情報開示の枠組みを策定するとともに、法的執行の資源を配備するのを手助けすることに注力する」とコメントした。

SECによると、専門チームは議会が暗号資産関連法制を策定するのを支援し、CFTCなど他の連邦機関や州、外国機関との調整に関与する役割も担うという。 

参考:報道
画像:Reuters

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