ユニスワップ、新プロトコル「Uniswap v4」リリース

Uniswap v4がリリース

分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」の開発元である「ユニスワップラボ(Uniswap Labs)」が、「ユニスワップ」の新バージョンのプロトコル「ユニスワップ v4」の正式リリースを1月31日に発表した。

「ユニスワップ v4」は、イーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、アービトラム(Arbitrum)、OPメインネット(OP Mainnet)、ベース(Base)、BNBチェーン(BNB Chain)、ブラスト(Blast)、ワールドチェーン(World Chain)、アバランチ(Avalanche)、ゾラネットワーク(Zora Network)で稼働開始しているとのこと。

「ユニスワップ v4」は、ユニスワップの新しいバージョンのプロトコルであり、「フックス」や「シングルトン(Singleton)」、「フラッシュアカウンティング(Flash Accounting)」などの新機能が主な実装となる。なお資本効率や、集中流動性についての実装は「ユニスワップ v3(Uniswap v3)」を踏襲している。

「フックス」は、流動性プールをカスタマイズするための機能だ。同機能は、流動性プールに対する流動性の追加や削除・調整されるタイミングや、スワップが行われるタイミングで任意の処理を差し込める。これにより、指値注文や流動的な手数料設計などの柔軟な流動性プールを容易に実装可能になる。

なお現在、「ユニスワップ」のウェブアプリでは「フックス」を使用した流動性提供が可能であり、今後数日間で流動性が「ユニスワップv4」に移行するにつれて、ウェブおよびウォレットでスワップ機能が展開される予定であるという。

また「シングルトン」は、これまでの「ユニスワップ」での流動性プールを作成するたびに新しいスマートコントラクトをデプロイする必要があった設計から一新し、1つのスマートコントラクトで複数の流動性プールを管理できるようにするというものだ。これにより、流動性プールの作成を行う際のコストが削減される。

そして「フラッシュアカウンティング」は、「シングルトン」の実装によって可能になる取引実行時のガス代を削減する機能だ。

これまでトークンのスワップを行う際に、複数の流動性プールを跨ぐ場合は、経由する全ての流動性プール間を「トークンを送金する」ことで経由する設計であったのに対し、「フラッシュアカウンティング」では、1つのスマートコントラクト内で流動性プールを実装することで、送金を行う回数を1回のみにする。これによりユーザーが負担するガス代が削減される。

発表によると「ユニスワップ v4」は、9回の監査や、セキュリティコンテスト、1,550万ドルのバグ報奨金プログラムなどを実施するなど厳格なチェックを行なったが、重大な脆弱性は見つからなかったとのこと。

「ユニスワップラボ」は以前、「ユニスワップ v4」を2024年中に公開する計画を発表していた。しかしスマートコントラクトの監査に想定以上の時間がかかってしまい、リリースが延期していた。

参考:ユニスワップラボ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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