スウェーデン中央銀行がBISイノベーションハブのホスト申請へ
スウェーデンの中央銀行Riksbank(リクスバンク)がBIS(国際決済銀行)のイノベーションハブの1つをホストするための承認をBISの議会に申請したと、Ledger Insightsが報道した。
スウェーデンは、現金使用率が非常に低いため、リクスバンクは長年にわたってCBDC(中央銀行デジタル通貨)を調査してきている。まだ、リクスバンクはCBDCの発行を確定しているわけではないがCBDCのトライアルをAccentureと行ってきた。
現在、イノベーションハブは香港、シンガポール、スイスにある。現在、EUの代表者は存在していない。ただ、スウェーデンはEU加盟国だが、通貨はユーロを利用せずスウェーデンクローナを利用している。
元欧州中央銀行局長で、現在、BISイノベーションハブの責任者を務めるブノワ・キューレは、イノベーションハブの3つの役割について言及していて「1つは、現在のBIS活動の延長として、中央銀行に影響を与える重要な技術動向を特定すること、 2つ目は、中央銀行間のコラボレーションを生み出すこと、そして3つ目は、中核となる金融インフラとして指定された新しい中央銀行公共財(central bank public goods)を作成することです」とコメントしている。
編集部のコメント
スウェーデンのリクスバンクは、率先してCBDCの研究を進めている中央銀行のうちの1つです。実際に、リクスバンクは中央銀行デジタル通貨「e-krona(イークローナ) 」の技術ソリューションを開発するために、アクセンチュアとパイロットプロジェクトを実施していることを明らかにしていて、そのプロジェクトは2021年2月末まで実行される予定となっています。e-kronaのアーキテクチャも明らかにしていて、ユーザは、デジタルカードやスマートウォッチなどのウェアラブルプロダクトを介してペイメントできるようになっています。
そして、リクスバンクは、日本銀行を含め、欧州中央銀行、国際決済銀行、カナダ銀行、イングランド銀行、スイス国民銀行とCBDCの研究チームを1月21日に発足しています。このようにCBDCヘ強い必要性を感じ、実績のある中央銀行がBISのイノベーションハブを務めるのは重要なことだと、あたらしい経済編集部は考えます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
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