中国光大銀行がサプライチェーンファイナンスでAnt Blockchainの利用開始
中国光大銀行 (China Everbright Bank)がサプライチェーンファイナンスでブロックチェーンを利用開始し始めたことが、上海証券ニュース(Shanghai Securities News)の報道により明らかになった。
中国光大銀行は中国の4大国有銀行ほど大きくないが、2019年6月の総資産は6,662億ドルと非常に大きな銀行だ。一部の資産は中国が所有し、2019年のフォーブス2000の大企業リストで151位にランクされている。
そして、中国光大銀行のブロックチェーンプロジェクトでは、サプライチェーンにアリババの金融子会社アントフィナンシャルが開発・提供する「Ant Blockchain Duo Chain」ソリューションを使用しているとのこと。 DUOとは、サプライチェーンとブロックチェーンの共通部分を指す。
ちなみに中国光大銀行とアントフィナンシャルがAnt Blockchain Duo Chainを利用して実装したプラットフォーム名は「Ant Dual-Link」という。このプラットフォームのユーザーは、中国光大銀行のネットワークを介してID認証と電子署名を完了することができ、関連するトランザクションデータと操作情報がブロックチェーンに保存され、確実なトレーサビリティが確保されるとのこと。そして、中国光大銀行は、内外のデータ管理プラットフォーム、企業の信用報告プラットフォーム、サポートする銀行口座システム、資金決済システムなど複数の関連システムを効果的にこのプラットフォームに統合させ、ビジネスの受け入れ、融資の承認、融資実行などのビジネスプロセスを実現し、企業の金融サービスを効果的に改善していくとのこと。
中国光大銀行の関係者は「次のステップはサプライチェーンファイナンスの生産性を高くプロセス実行させるフレームワークを強化し続けていきたい」と上海証券ニュースにコメントしている。
編集部のコメント
中国光大銀行(ちゅうごくこうだいぎんこう)は中国の銀行で、本社は北京市にあり国務院系の中国光大グループに属しています。 1992年8月に創業し、2010年8月に上海証券取引所へ上場、さらに2013年12月に香港証券取引所へ上場しました。そしてAnt Blockchainはアリババクラウド上で実装されていて、相互運用性が高いブロックチェーンプラットフォームとなっています。Ant Blockchainと互換性のあるブロックチェーンはEnterprise Ethereum、HyperLedgerFabric、Quarum、その他2つの異なるオープンソースシステムとなっています。
アントフィナンシャル社はすでにブロックチェーンを活用した事例も多く、医療・サプライチェーン・貿易金融・決済領域などの分野で莫大な金額がトランザクションされています。そして、2019年11月には「Ant Blockchain Open Alliance」という名称で、3カ月のテスト運用を行なったのち、2020年2月のローンチをすることを明らかにしていました。Ant Blockchain Open Allianceがローンチされたか、まだ明らかになっていません。ただ、ブロックチェーン領域において、アントフィナンシャルが既に大きなポジションを確立しているのではないかと、あたらしい経済編集部は考えます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:NatanaelGinting,-pgraphis)