Sei、65Mドル規模の「DeSci」特化ベンチャーファンド設立

SeiがDeSci特化ファンド設立

レイヤー1ブロックチェーン「セイ(Sei)」を運営するセイ財団(Sei Foundation)が、DeSci(ディサイ:分散型科学)分野への投資を目的とした6,500万ドル(約100億円)規模のベンチャーファンド「サピエンオープンサイエンスファンドI(Sapien Open Science Fund I)」を設立した。「セイ」の公式Xが、メディア「ザ・ブロック(THE BLOCK)」の記事を引用する形で1月29日発表した。

このファンドでは、「セイ」ブロックチェーン上で構築されるDeSci関連のスタートアップに特化して投資を行うとのこと。

セイ財団の事業開発および投資責任者であるジャスティン・バーロウ(Justin Barlow)氏によると、同ファンドにはセイ財団が全額を拠出しているが、今後外部の投資家やリミテッドパートナー(LP)との提携も視野に入れているという。

また、今回設立されたファンドは助成金を提供するものではなく、ベンチャー投資を目的としており、投資対象はDeSciスタートアップのトークンや株式とされている。投資額は1件あたり10万ドル(約1,550万円)から200万ドル(約3億円)の範囲で、3年から4年をかけて資金を運用する計画とのこと。

また同氏はDeSciの可能性について「ヘルスケアや科学、バイオテクノロジーなど多岐にわたる分野に影響を与えられる普遍的なテーマであり、その規模は大きく成長する可能性があります」とし、また「私たちの目標は、この新しい分野を支えるインフラ、アプリケーション、コミュニティを構築する革新的な起業家を支援することです」と述べている。

さらにバーロウ氏によると、「サピエンオープンサイエンスファンドI」の投資対象には、高度なウェアラブルデバイス、ユーザー主導のデータ共有プラットフォーム、ゲーム化された創薬プロジェクトなどが投資対象になるとされている。

セイとは

「セイ」は、コスモス(Cosmos)エコシステム上に構築されたブロックチェーン。トランザクションの並列処理が可能なEVM互換の高速ブロックチェーンとして評価されている。仮想マシンはウェブアセンブリ(WebAssembly / WASM)およびEVM(イーサリアム仮想マシン)を搭載しており、コズモワズム(CosmWasm)とEVM用のスマートコントラクトをサポートしている。

セイ財団は昨年12月に、新たなロードマップ「ギガ(Giga)」を発表。「ギガ」は、現在の「セイ」メインネットの仮想マシンと比較して約50倍の処理速度(5 GGAS/s)を実現し、業界最高水準のパフォーマンスを目指すロードマップであるとのこと。

この技術により、Web3開発者は従来のEVMの低効率による制約を超え、Web2レベルのパフォーマンスが求められる高度なEVMアプリケーションの開発が可能になるという。

「セイ」は昨年7月に「Sei v2」をメインネットベータ版で公開し、並列実行や高速コンセンサス、最適化されたストレージを活用し、高性能なEVM互換の仮想マシンを導入した。しかし、Web2レベルのスケーリングには依然として課題が残っていたため、その解決策として「ギガ」が発表された。

画像:iStock/Lari-Bat

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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