ScalarとトヨタファイナンシャルサービスがScalarDLTを活用したB2C取引のデータ管理の有用性を確認

ScalarとトヨタファイナンシャルサービスがScalarDLTを活用したB2C取引のデータ管理の有用性を確認

株式会社Scalarが、トヨタファイナンシャルサービス株式会社とブロックチェーン及び分散型台帳技術の活用に向けた実証実験を実施し、昨年11月に完了したことを3月16日プレスリリースにて発表した。

同実証実験は、実ユースケースを模擬したB2C取引におけるデータをScalar社開発のScalar DLT上で管理し、当該データのコントローラビリティ・トレーサビリティ・真正性等の検証を行ったとのこと。

同実証実験の結果、同検証項目において正しく保証されていることが確認され、Scalar DLTの有用性が確認されたとのことだ。

なお同実証実験は、トヨタ自動車株式会社、トヨタファイナンシャルサービス株式会社が2019年4月に設立した「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」における取り組みの一つとなる。

編集部のコメント

Scalar DLTは主に、分散データベースソフトウェアである「Scalar DB」と分散型台帳ソフトウェアである「Scalar DL」の2つで構成されています。またScalar DLTは、「対改ざん性とスケーラビリティの両立」のために、ブロックチェーンではなくDAG(Directed acyclic graph)構造を採用しており、依存関係の無いトランザクションを並列処理することが可能になっています。取引データをひとつのブロックにまとめて、そのブロックを鎖のように連続して繋げていくのがブロックチェーンの特徴ですが、DAGでは取引データ同士を直接、一方通行かつランダムに繋げられるのが特徴となっています。

なお昨年12月にはITソリューションサービスを提供する株式会社クロスキャットが、株式会社Scalarの分散データベース「Scalar DB」を採用した電力管理システムを構築したことを発表しています。 また1月には、株式会社マイデータ・インテリジェンス(MDI)と英Armの日本法人トレジャーデータ株式会社(Arm Treasure Data)と協業し、Scalarの分散型台帳ソフトウェア「Scalar DL」を利用した同意管理サービスを3月より提供開始することを発表しています。

「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」の取り組みは昨日3月16日に発表されました。検証を進めている主なテーマは以下の4つと発表されています。
(1) 「お客さま」を軸に、グループ内外の ID 共通化・契約のデジタル化による利便性向上、お客様自身による情報管理の実現、ポイントサービスへの活用等
(2) 「車両」のライフサイクルに関わるあらゆる情報の蓄積・活用を通じた、各種サービスの高度化、新たなサービスの創出
(3) 「サプライチェーン」における、部品製造、発送などに関する情報の記録・共有による業務プロセス効率化、トレーサビリティ向上
(4) 車両などの資産や権利等、様々な「価値のデジタル化」を通じた資金調達手段多様化への活用と、それによるお客さまや投資家との中⻑期的な関係構築

同日に発表された関連ニュースについても併せて参照いただければと思います。
・ トヨタがブロックチェーンに本格参入、BUIDLとVehicle ID/Personal ID基盤の構築と連携に関する実証実験完了。「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」が検証を進めている主なテーマも公表

Datachainとトヨタファイナンシャルサービスがブロックチェーンを活用した車両の二次流通における「価値証明」と「所有権移転」についての実証実験実施

コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)

(images:sadsadang)

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