ユニスワップ、新プロトコル「Uniswap v4」来週リリース

Uniswap v4が来週リリース

分散型取引所(DEX)「ユニスワップ(Uniswap)」の開発元である「ユニスワップラボ(Uniswap Labs)」が、「ユニスワップ」の新しいバージョンのプロトコル「ユニスワップ v4」の展開が、来週中に完了予定であることを1月22日に公式Xで発表した。

発表によると、今週から同プロトコルのデプロイメントが順次開始されており、開発者は新機能の「フックス(hooks)」などがオンチェーンでテスト可能になるとのこと。来週には完全にデプロイメントが完了し、展開開始されるとのことだ。なおコントラクトアドレスについては、間も無く公開されるという。

ユニスワップv4の新機能

「ユニスワップ v4」は、ユニスワップの新しいバージョンのプロトコルであり、「フックス」や「シングルトン(Singleton)」、「フラッシュアカウンティング(Flash Accounting)」などの新機能が主な実装となる。なお資本効率や、集中流動性についての実装は「ユニスワップ v3(Uniswap v3)」を踏襲している。

「フックス」は、流動性プールをカスタマイズするための機能だ。同機能は、流動性プールに対する流動性の追加や削除・調整されるタイミングや、スワップが行われるタイミングで任意の処理を差し込める。これにより、指値注文や流動的な手数料設計などの柔軟な流動性プールを容易に実装可能になる。

「シングルトン」は、これまでの「ユニスワップ」では流動性プールを作成するたびに新しいスマートコントラクトをデプロイする必要があった設計から一新し、一つのスマートコントラクトで複数の流動性プールを管理できるようにするというものだ。これにより、流動性プールの作成を行う際のコストが削減される。

「フラッシュアカウンティング」は、「シングルトン」の実装によって可能になる取引実行時のガス代を削減する機能だ。これまでトークンのスワップを行う際に、複数の流動性プールを跨ぐ場合は、経由する全ての流動性プール間を「トークンを送金する」ことで経由する設計であったのに対し、1つのスマートコントラクト内で流動性プールを実装することで、送金を行う回数を1回のみにするものだ。これによりユーザーが負担するガス代を削減される。

「ユニスワップラボ」は以前、「ユニスワップ v4」を2024年中に公開する計画を発表していた。しかしスマートコントラクトの監査に想定以上の時間がかかってしまい、リリースが延期したとのことだ。

画像:iStocks/Yellow-duck・iam2mai

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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