イーサリアム開発者、次期アップデート「Pectra」のタイムライン公開

イーサリアム次期アップデート「Pectra」のタイムラインが公開

イーサリアム(Ethereum)の次期大型アップグレードである「ペクトラ(Pectra)」のタイムラインが、1月16日に開催された開発者会議で明らかになった。

同開発者会議「Execution Layer Meeting」は、イーサリアムの実行層(EL)に関わる開発者が定期的に開催するオンライン会議。YouTubeで生配信を行いながら開催されている。

今回の会議によると、「ペクトラ」は2月中にテストネットで実行されテストされたのち、3月にメインネットでリリースされる予定とのことだ。

「ペクトラ」は当初、イーサリアム史上最大のアップグレードとなる予定だったが、複数の変更を同時に実装することでネットワークが不安定になるなどのデメリットを考慮し、昨年9月にアップグレードを2つに分割する提案が認められた。

「ペクトラ」の主な実装は、「EIP-7702」と「EIP-7251」の2つだ。

「EIP-7702」は、イーサリアムの共同創業者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が提案したウォレットのユーザー体験を向上させるアップグレードだ。これにより通常のアカウントとして利用されているEOA(外部所有アカウント)を、一時的にスマートコントラクトとして扱える仕組みを導入し、既存のスマートコントラクトに追加の実装を行わずにEOAに様々な機能を導入可能になる。

「EIP-7251」は、バリデーターがステークできる最大量を32ETHから2,048ETHに増加させるというものだ。これにより32ETHよりも大きな額をステーキングしたいユーザーが、これまでのように複数のノードに分割せず、1つのノードで行えるようになる。そのため、新しいノードの構成をする必要があり、数週間の待ち時間が必要とされることもあったステーキングの開始がよりスムーズに行えるようになると予想されている。

イーサリアム開発者は昨年11月に、「ペクトラ」のテストのために構築した短期間のテストネットである「メコン(Mekong)」をリリースした。「メコン」の名称は、昨年11月12日に開催されたイーサリアムの大型開発者カンファレンス「デブコンシー(Devcon SEA:Southeast Asia)」がタイ・バンコクで開催されたことから、東南アジア5か国を流れるメコン川を由来にしたとのことだ。

参考:Execution Layer Meeting
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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