ソニーグループ、3つの取り組みで包括的な「Web3ソリューション」提供

ソニーグループがWeb3の3つの取り組み発表

ソニーグループが、同社傘下のブロックチェーン関連企業3社による新たな取り組み開始を1月14日に発表した。

この3つの取り組みは、Sony Block Solutions Labs(ソニーブロックソリューションラボ:Sony BSL)によるブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」、S.BLOX社による暗号資産(仮想通貨)取引サービス「S.BLOX」、そしてSNFT社による企業向けNFT発行ファンマーケティングプラットフォームとなっている。

ソニーグループは、Web3の基盤インフラであるブロックチェーンからアプリケーションレイヤーまで包括的なソリューションを提供することで、クリエイターのクリエイティビティの拡張やファンコミュニティへのエンゲージメント強化のサポートに取り組むとしている。

Soneiumについて

「Soneium」は今回の発表同日にメインネットローンチが発表されている。「Soneium」は、Ethereum(イーサリアム)のレイヤー2ブロックチェーン。Optimism Foundation(オプティミズム財団)開発の「OPスタック(OP Stack)」により構築されている。

「Soneium」では昨年8月にテストネット「Minato(ミナト)」が公開されていた。今回の発表によるとテストネットでは、820万以上のアクティブウォレットと3600万件のトランザクションが記録されたという。

また「Minato」では、既に多数のアプリ開発が完了しているとのこと。

またメインネットでは、各アプリ内の決済に暗号資産を使用可能になるとのこと。開発者やクリエイターは自身のアプリ内の決済を通して収益を上げられることに加え、エンドユーザーはアプリ上の活動を通じて、クリエイターの応援・支援をするファンコミュニティを築けるとのことだ。

S.BLOXについて

「S.BLOX」は、暗号資産の取引から「Soneium」でのアプリ利用の体験までを一気通貫で提供することを目指し、今回の発表同日にリリースされている。

「S.BLOX」は、ソニーグループ子会社が2023年に買収した、Amber Japan(アンバージャパン)による「WhaleFin(ホエールフィン)」のリニューアル版となる。

なおサービスリニューアル記念として、新規アカウント開設及び暗号資産取引で3,000円相当のBTCがもらえるキャンペーンが同日より開始されている。

またこれに加えて、2月にマンガ・アニメ作品「攻殻機動隊」とのコラボレーション企画として、「Soneium」のネットワークを活用したNFT配布キャンペーンの実施を予定しているとのことだ。

企業向けNFT発行プラットフォームについて

そして「Soneium」対応のアプリとして、SNFT社は2月以降にファンマーケティングプラットフォームのサービスリリースを行うという。同プラットフォームは、NFT施策を実行する企業向けに提供するもので、NFTを活用したファンエンゲージメント施策の実行から分析までワンストップで支援するとのこと。

企業はこのサービスを活用してキャンペーン等においてNFTを簡単に発行し、そのNFTを通してエンドユーザーとの新しい顧客接点を創出すると共に、NFTを取得したファンに特別な体験やコンテンツを提供することで、ファン・ユーザーのエンゲージメントを深めることが可能とのこと。

また通常、NFTの受け取りにはWeb3ウォレットサービスをユーザー側で別途準備する必要があるが、本サービスではソーシャルログインを活用したWeb上のウォレット機能が備えられているため、初心者でも簡単にNFTの受け取りが可能とのことだ。

グループ内企業と実証実験も

ソニーグループはこれらのWeb3サービスを活用し、クリエイターとファンに新たな価値提供をする目的で、グループ内のエンタテインメント関連の企業と実証実験を予定しているという。ファンマーケティングプラットフォームを使用して、「Soneium」のネットワーク上でNFTを発行する施策が企画されており、Web3技術を活用した各IPのファンへの価値提供とエンゲージメント拡大を目指すという。

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントでは、Prime Videoでの対象作品の購入者を対象に限定コンテンツへのアクセス権を無料でプレゼントするキャンペーンを実施するとのこと。エンドユーザーは、購入した対象作品の視聴に加えて、限定チャネル上のデジタルコレクションや特典映像の視聴及びダウンロードにより、対象作品をより楽しめるという。

次にSony Music Entertainment France(ソニーミュージックエンタテインメントフランス)では、同社が運営・支援するミュージック&Web3コミュニティ「Sunny B. 1991」の2周年を記念して、コミュニティメンバーのみを対象に限定NFTを配布する実証実験を行うとのこと。過去に同社がコミュニティメンバーに配布したNFTの所有枚数に応じて、NFTを配布するという。NFTのデザインや名称の検討はコミュニティメンバーも参加して決定されるとのことだ。

そしてソニー・ミュージックパブリッシングでは、アーティストの新たな顧客接点やファンの創出を目的として、Web3技術を活用した顧客への新しい価値提供に取り組む予定だという。まずはガールズグループ「SANDAL TELEPHONE」のライブイベントと連携した限定NFTの配布キャンペーンを実施する予定とのこと。

発表によると各企画は、1月中旬から2月にかけて順次開始予定とのことだ。

参考:ソニーグループ
画像:iStocks/KanawatTH

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【1/14話題】ソニーのイーサL2「Soneium」がメインネットローンチ、GMOコインがETHステーキングサービスなどなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

ソラナ上のDEX「Raydium」、分散型オーダーブック「Orderly Network」搭載のパーペチュアル機能公開

ソラナ(solana)上のDEX(分散型取引所)レイディウム(Raydium)で、DeFi(分散型金融)開発者向け分散型オーダーブックプロトコル「オーダリーネットワーク(Orderly Network)」搭載のパーペチュアル機能が公開された。レイディウムの公式Xアカウントにて1月10日発表された

【1/10話題】リミックスポイントが5億円のビットコイン追加購入、サークルがトランプに100万USDC寄付 など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米サークル、トランプ次期大統領の就任委員会に100万USDCを寄付

米サークル(Circle Internet Financial)が、次期米大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の就任委員会に、同社発行のステーブルコイン「USDC」を100万USDC(約1.6億円)分寄付した。サークルの共同創業者兼CEOジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏が、自身のXアカウントにて1月10日発表した