ソラナのリステーキングプロトコル「Solayer」、独自チェーン「InfiniSVM」開発へ

Solayer、「InfiniSVM」を開発中

ソラナ(Solana)エコシステム内のリステーキングプロトコル「ソレイヤー(Solayer)」による2025年のロードマップが公開され、同プロジェクトによるハードウェアアクセラレーション型の独自SVMブロックチェーン「InfiniSVM」が開発中であることが1月7日に明らかになった。

なおSVMとはソラナ上に構築された仮想マシンのことで、ブロックチェーン上のトランザクションの処理や計算を行う際に使用される。

そして「InfiniSVM」は、ソフトウェアを通じてネットワークを一括制御する技術「SDN(ソフトウェア・デファインド・ネットワーク)」とサーバーのメモリー間で直接データをやり取りする技術「RDMA(リモート・ダイレクト・メモリ・アクセス)」を使用して、アプリケーションの要求に応じてSVMの単一の実行マシンを動的に複数マシンに分割するスケーラブルなマルチ実行クラスタアーキテクチャを実現するという。

また同チェーンのデータ通信の速度は、100Gbpsを達成することを目標としているとのこと。独自の物理回路や、ストレージへのオフロードなどの技術を活用することで、トランザクションの確認時間を1ms(0.001秒)に抑えるという。

また「InfiniSVM」では、「sSOL」や「sUSD」などのネイティブの利回り資産を「InfiniSVM」に統合し、ユーザーがそれらをネットワーク上でステーキングできるようにするとのこと。

「ソレイヤー」は、現在のソラナのネットワーク帯域幅が1バリデーターあたり約0.8Gbpsを消費し、現代のほとんどの消費者向けP2Pインターネットの限界に近づいていることを課題として挙げている。

この課題によりバリデーターの伝搬障害や接続の切断、コンセンサスの中断が発生すると「ソレイヤー」は指摘しており、これらの課題を解決するために、「InfiniSVM」のような多くの物理的なコンピューティングが必要であると述べている。

ソレイヤーとは、ソラナのエコシステム内で再ステーキングを実現するプロトコル。ユーザーは既にステーキング済みの暗号資産ソラナ(SOL)やリキッドステーキングトークン(LST)などをソレイヤー上で再ステーキングすることで、追加の利回りを獲得できる。

またソレイヤーは、ガバナンストークン「LAYER」の導入と、非営利団体のソレイヤー財団(Solayer Foundation)の設立を1月3日に発表しており、ソレイヤーのステーキングへの参加や、ソレイヤー提供のステーブルコイン「sUSD」の利用などの条件を満たしたユーザーを対象に「LAYER」トークンの配布を行うとのことだ。

参考:ソレイヤー
画像:iStocks/artsstock

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田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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