Lidoがポリゴン上でのプロトコル廃止へ
リキッドステーキングプロトコル「ライド(Lido)」提供のライド・ファイナンス(Lido Finance)が、ポリゴン(Polygon)ネットワーク上で提供しているリキッドステーキングサービスの終了を12月16日発表した。
このリキッドステーキングサービスでは、ポリゴンの独自トークン「MATIC」のステーキングと引き換えに、「stMATIC」と呼ばれるトークンを発行している。ユーザーは付与された「stMATIC」でDeFi(分散型金融)を利用して再度「MATIC」に交換できるほか、「stMATIC」をレンディングなどで運用を行えば利回りを得ることも可能だ。
今回の決定により「stMATIC」の保有者は、今後ネットワーク報酬を取得できないとのこと。ユーザーは2025年6月16日までに、「ライド・オン・ポリゴン」のフロントエンドを通じて「MATIC」をアンステークする必要があるという。また、リキッドステーキングの終了後も「MATIC」の引き出しは、エクスプローラーツールを使用して引き続き可能となっている。
なお、「ライド・オン・ポリゴン」は2025年1月15日から22日の間に停止され、この期間中は引き出しができないとのことだ。
「ライド」による、ポリゴン上でのリキッドステーキングサービスの終了は、同ネットワーク上で運用していたリキッドステーキングプロトコル「ライド・オン・ポリゴン(Lido on Polygon)」を段階的に終了する動きの一環とのこと。終了の決定は、ライド・ダオ(Lido DAO)のガバナンストークンである「LDO」の保有者による、DAOフォーラムでの議論と投票を経て下された。終了プロセスは今後数カ月間にわたり進められるという。
「ライド・オン・ポリゴン」は、リキッドステーキングソリューション開発のシャード・ラボ(Shard Labs)主導で2021年に立ち上げられていた。しかし、同プロトコルの運用は、限定的なユーザー採用や報酬不足、維持管理に多大なリソースを要すること、エコシステムの動向変化といった課題に直面していたという。
また、特にzkEVMソリューションへの関心の高まりが、ポリゴンPoS(Polygon PoS)上でのリキッドステーキング需要が減少したほか、他のリキッドステーキングソリューションが小規模なエコシステム内で展開されたことも影響を与えているとのこと。
さらに、「LDO」保有者がイーサリアム(Ethereum)への戦略の方向転換を進めていることも、今回の判断に影響を与えたとされている。
なおライド・ファイナンスでは、ポリゴンの他にも、昨年10月から今年2月にわたってソラナ(Solana)ブロックチェーン上のリキッドステーキングプロトコルの運用停止と、サポートを終了している。
ちなみにリキッドステーキングとは、プルーフオブステーク(PoS)を採用するブロックチェーンにおいてステーキングを行う際に、ロックした資産と「1:1」の割合で価値が担保されているトークンを発行することで、ロックされた資産に疑似的な流動性を与えることを可能にするサービスだ。
参考:ライド