Ethena Labs、トークン化ファンド「BUIDL」裏付けのステーブルコイン「USDtb」公開

BUIDL裏付けのステーブルコインUSDtb公開

DeFi(分散型金融)プラットフォーム「エセナ(Ethena)」開発のエセナ・ラボ(Ethena Labs)が、「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」に裏付けられたステーブルコイン「USDtb」をローンチした。同社が公式ブログにて12月16日発表した。

「USDtb」は、「USDC」や「USDT」などの米ドルペッグのステーブルコインと同様に、現金または現金同等物を1:1で裏付ける仕組みを採用しているとのこと。また、準備資産の90%に「BUIDL」を利用しており、これはステーブルコイン市場で最も高い「BUIDL」比率となっているという。

エセナ・ラボは「USDtb」の他に、イーサリアム(Ethereum)基盤のステーブルコイン「USDe」と、「BUIDL」に裏付けられたステーブルコイン「UStb」を展開している(USDeとUStbについては後述)。

今回発表された「USDtb」は、「USDe」および「UStb」とは異なるリスク特性を持つ独立した商品として提供されるとのこと。なお、この商品は、エセナ・ラボとデジタル資産発行プラットフォームを運営するセキュリタイズ(Securitize)の提携のもとで提供されるという。

さらに、エセナ・ラボのリスク委員会は、「USDtb」を「USDe」の準備資産として採用する提案を承認したとのこと。これにより、マイナスの資金調達率が発生した場合、「USDe」のヘッジポジションを解消し、準備資産を「USDtb」に再割り当てすることで、リスク軽減が見込まれるとしている。

また、「USDtb」は、中央集権型取引所での証拠金担保としても利用でき、「エセナ」が既に提携している取引所や今後同様のプログラムを提供する取引所で活用される可能性があるとのこと。

ちなみにエセナ・ラボが提供する『USDe』は、ステークされたイーサリアム(ETH)およびスワップマージンを使用して利回りを生成する貯蓄債券やデリバティブを担保とするステーブルコインだ。同ステーブルコインは、オンチェーンでのカストディと決済を行っている。

一方、『UStb』は、資金調達環境が悪化した際、ガバナンスによって必要と判断された場合に『USDe』の裏付け資産であるヘッジポジションを解消し、その資金を『UStb』に再配分することでリスク軽減が可能なステーブルコインだ。

BUIDLとは

「BUIDL」は、米大手資産運用会社ブラックロックが、デジタルアセット発行プラットフォーム運営のセキュリタイズと提携し、今年3月に立ち上げたトークン化ファンド。

「BUIDL」では1トークン対1ドルの安定した価値提供を目指し、毎日発生する配当を毎月新しいトークンとして投資家のウォレットに直接支払うという。

同ファンドは総資産の100%を現金・米国財務省証券・現先取引に投資する。同ファンドの投資家は、ブロックチェーン上でトークンを保有しながら利回りを得られる仕組みとなっている。また同ファンドの投資家は24時間365日、事前に承認された他の投資家にトークンを譲渡できるとのことだ。

参考:エセナ・ラボ
画像:iStock/scyther5

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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